2005年 イタリア/フランス 130分
監督:メディ・カレン、エミール・クストリッツア、スパイク・リー、カティアル・ルンド、ジョーダン・スコット、リドリー・スコット、ステファノ・ヴィネルッソ、ジョン・ウー
出演:ビラ・アダマ、ハノウラ・カボレ、ウロシュ・ミロヴァノヴィッチ、ロージー・ペレス、ハンナ・ホドソン
(イントロダクション)
“世界中の子供たちの窮状を救うため”というイタリアの女優マリア・グラツィア・クチノッタの呼びかけにユニセフと国連世界食糧計画が賛同、7ヵ国から7組8人の映画監督が参加し実現した社会派オムニバス・ドラマ。エミール・クストリッツァ、スパイク・リー、ジョン・ウーら世界的監督たちが、それぞれの国の子供たちの過酷な現実を独自の視点で描き出す。ストリートチルドレン、少年兵、HIVなど、深刻な問題を突きつけられながらも逞しく生きていく子供たちの姿をリアルに映し出す。
<第1話『タンザ』>
ルワンダで「自由」の名のもとに強制的にゲリラ部隊に入隊させられた
声変わりもしていない少年兵の話。
真夜中、時限装置つきの爆弾をしかけることを命じられて侵入した先は、
自分が通おうとして、通えない学校の教室でした。
童心があちこちに満ちている教室の飾りをいとおしそうに見入る少年。
その教室に集まる子供たちを殺さなければならない
少年兵の顔に涙が走ります。
<第2話『ブルー・ジプシー』>
窃盗で少年院に入った15歳の少年ウロスは、
出所したら理容師になる夢を持って院での生活に前向きでした。
しかし、出所したウロスを待っていたのは、窃盗団である父母。
以前と変わらない家庭。ウロスにとって自由とは何でしょうか。
<第3話『アメリカのイエスの子ら』>
ニューヨーク・ブルックリンに住む少女ブランカの両親はHIV感染者。
父親は“砂漠の嵐作戦”(湾岸戦争)で障害も受け、麻薬常習者。
ブランカはエイズ・ベイビーと呼ばれ学校でいじめられます。
<第4話『ビルーとジョアン』>
サンパウロの高層ビル群に接する貧民街に
2人だけで住む兄と妹の物語。
ダンボールや屑鉄類を集めて売る逞しい毎日を送っています。
<第5話『ジョナサン』>
ジョナサンは戦地の取材をしているフォトジャーナリスト。
戦地取材のショックで幻覚にうなされ、
人生と今の仕事に希望と誇りをもてずにいたジョナサンが、
ある日森の中を散歩していると、そこに聞こえてきたのは子供たちの声。
ジョナサンがその声を追っていくと、いつの間にか自分の姿が大人から少年に・・・。
戦争は悲惨なものだし、戦闘が終わった後の戦場の焼け跡も悲惨なもの・・・。
しかし、そんな戦場跡においても、そこで少年たちはたくましく生きていた。
現実の厳しさを見てそこから逃避しようとする大人が多いのに対して、子供たちは・・・?
そんな子供たちから何かを学んだジョナサンの姿は今・・・?
<第6話『チロ』>
若い男の子が2人組で、白昼堂々と車の窓ガラスを割って、
運転席の男の腕からロレックスを奪い取るという手口を見ていると、その生々しさにビックリ・・・。
堂々とボスと渡り合って交渉しているチロたちを見ていると、
そのしたたかさに驚くものの、その反面やはり子供は子供・・・。
映画の後半、移動遊園地をめぐって微笑ましいシーンも登場するから、ひと安心を・・・。
<第7話『桑桑(ソンソン)と小猫(シャオマオ)』>
中国の対照的な家庭環境で育った2人の少女の物語です。
桑桑(ソンソン)は、何不自由ない裕福な家庭で育ちましたが、
いがみ合う両親の間で孤独です。
捨て子の子猫(シャオマオ)は、そのような子供をかき集めて花売りをさせ、
稼ぎがないと食事も与えない親方の家で暮らします。
学校にも行けませんが、優しい心の持ち主です。
どの話もやはり子供の笑顔はいいなあと思えた。
両親の責任は、当たり前だが重大だなあと思う。
私が嫌いなストーリーは第2話で、
自分の子供に窃盗をさせる馬鹿オヤジ
日本でも小学5年の我が子に
食材を万引きさせた事件があったが、
子供のことをどう思っているんだろうか、
自分がしなければいけないことをせずに、
子供にそんなことをさせるなんて絶対に許せない。
一番印象に残るのは、第7話の
桑桑(ソンソン)と小猫(シャオマオ)、
桑桑は、両親がいて裕福な家庭で育ちますが、
小猫は、捨て子でゴミ拾いで生計を立てている、
おじいさんに拾われ育つ。両親がいて、おまけに裕福な生活、
桑桑には、何の不満もないように思いますが、両親がいがみ合い、孤独を感じます。
小猫は、貧しいながらも愛情一杯のおじいさんに、
育てられ、心優しく育っていきます。
ある日、おじいさんと市場に出かけて、
小猫は市場で落ちている食材を拾い、
おじいさんは外で、ゴミ拾いをする。
おじいさんは、路上に鉛筆を見つける。
多分、小猫にあげたかったんだろう。
それを拾って、微笑むおじいさん、
その瞬間、車にひかれてしまう。
おじいさんが亡くなったことも知らずに、
「おじいさん、おじいさん」と市場を探す小猫。
ひとりぼっちになった小猫、
小猫が連れられてきた所は
子供をかき集めて花売りをさせ、
稼ぎがないと食事も与えない親方の家だった。
そんな中でも、他の子供たちの気持ちを和まそうとする。
小猫は、すごく健気で子供のようでも大人にも見えたりする。
そんな状況でも子供は生きていきます。
自分の中で色々考え直すことができる映画かもしれない。