
7月29日(水)14:00~16:25
シアタードラマシティ
4列 36番
山田太一原作
脚本・演出:鈴木勝秀
出演:椎名桔平、内田有紀、甲本雅裕、池脇千鶴、羽場裕一、白神直子
脚本家の言葉
「無償の愛をもとめて」
成功という言葉が経済的な意味だけで語られ、豊かさという概念が物質的な面だけを対象としている……理解することが感じることより重んじられ、愛は単なる観念に過ぎず、実利がすべてに優先されている……孤独な人間が、自分の生きる社会、時代をそんな風に感じてしまうのは、何も現在始まったことではない。
『異人たちとの夏』の主人公もそんな男の一人である。
脚本家として成功し、社会的地位も、豊かな暮らしも物質的なことにおいては手にした男。だが、結婚生活は破綻し、子供とのコミュニケーションは皆無。愛を交わす相手は存在せず、友人すらいない。
そんな男が、幼い頃死別したはずの、父母とそっくりな夫婦と出会う。そして、彼らとの交流の中に、無償の愛を発見していく。同時に、新しく現れた年下の恋人との間にも、深い愛情が芽生えるのを感じる。愛に包まれ、充足感に浸り、男はついに幸福の意味を知る。だが、男にそのことを教えてくれた彼らは……"異人"であった。
豪華キャスト、この出演陣の舞台も滅多に観れないだろう。この舞台のチケットを取った理由は、椎名桔平でもなく内田有紀でもなく池脇千鶴を見たかったから迷わず購入してしまった。
良い悪いで言えば、良いになるけれども、映画で観てどのように舞台で表現するのかなあと期待していたシーンが2箇所あり、2箇所とも少し淡白に終わってしまった。
1箇所は泣く準備はOKだったが淡白に終わったので少し不満、もう1つは全く話が変わっていたうえに淡白だった。この2箇所以外は文句のつけようがない舞台だった。
上手から椎名桔平、池脇千鶴、甲本雅裕の3人が客席へ下りて中央まで行き通路を通り、下手側から舞台に上がり親子水入らずの最後の食事につながるシーンで会場はしーんと静まり返ってるのに、「桔平さ~ん」と叫んだ戯け者が、必殺仕事人に成敗してほしいぐらいだった。
個人的に一番印象に残るシーンは、映画でも舞台でも親子水入らずですき焼きを食べに行くシーンで両親が消えてしまう前の息子と両親のやり取りには、ウルッとしてしまう。いいシーンだと思う。
原作は読んでいないけども、多分映画版、舞台版とは完全に合致しないと思うが、いい話なのだろうと思う。
内田有紀が辺見えみりに池脇千鶴が永作博美に見えて仕方なかった。