こんなんありました!


5月23日土曜日

新歌舞伎座 2階1列39番 11:00~


原作/池波正太郎
脚本/鈴木聡
演出/ラサール石井
作曲/上妻宏光


出演/上川隆也、内山理名、キムラ緑子、池田成志、波岡一喜、六平直政、平幹二朗


(ストーリー)大阪新歌舞伎座HPより


  主人公、杉虎之助(上川隆也)は微禄ながら旗本の嫡男。生来の病弱に加えて義母にうとまれ、そんな我が身を儚んで十三歳のとき大川に身を投げるが、謎の剣士・池本茂兵衛(平幹二朗)に助けられた。この日が波乱の人生の第一歩だった。その後、茂兵衛を師と仰ぎ江戸に戻った虎之助、十九歳。叔父、山口金五郎(六平直政)との久々の再会。謎の女、秀(キムラ緑子)と出会い、また、人生最大のライバル、中村半次郎(池田成志)や生涯の友、伊庭八郎(波岡一喜)との交友を深める虎之助は、幕末の風雲急をつげるそのころ、京に上り、茂兵衛が幕府の隠密であったことを知る。師とともに薩摩の行動を探索する礼子(内山理名)に恋し、それを助ける虎之助。薩摩との暗闘は虎之助の想像を超えたものになろうとするとき、茂兵衛は告げる。「江戸に戻れ。礼子と所帯を持って世の流れに関わりなく生きよ。」そして、幾ばくかの平穏とささやかな幸せのとき。でも世間は剣士、杉虎之助を放っておくことはしなかった・・・・・。



 
 初新歌舞伎座、コンディションは最悪、目覚まし時計を止めることすら、できないぐらい体が動いてくれなかった朝、もっとチケット代が安ければ家で寝ていたかもしれなかった。100%寝てしまうだろうなと思いつつ会場入り、今回一番見たかったのが、『パッチギ』、『ミッドナイトイーグル』、『クローズ』などに出演して、それぞれで良い味を出していた波岡一喜の舞台上の芝居を観てみたいなあと思ったら、勝手に指がクリックしてチケットを段取りしてくれたみたい。キムラ緑子、六平直政にも注目してみた。


 劇場の感想は、思っていたよりかは小さく感じた。入場して左側へ進むと、ハァ?ここ劇場やろ何でこんな浪花のオバチャンが着るような服を売ってるのと、首を傾げながら、エスカレーターを乗り継ぎ二階席へ、チケットを取る際に花道サイドの席か二階席の最前列どちらにするか少し悩んだけど、二階席最前列で正解だった。

 時代劇ものはあまり舞台で観る機会はなかったが、この話好きです。がしかし、やたらと観客が拍手しすぎだとか、あちらこちらでぶつぶつ話しているを見て、このような劇場で観る場合のスタイルがこれが普通なら、もう二度とこんな場で芝居観ることないなて思ってしまった。休憩中も売店で並んでいたら、いきなり現れたオバチャン並びもせずに、私の前で粘っているオバチャンの横に並び「モナカ!モナカ!」と連呼し始めた、そのオバチャンをずっと見ていた、目が合ったら「並ばんかい!」と言うつもりだった、粘っているオバチャンがいなくなったら、見事に私の順番を抜かしモナカを買っていった。係員も先に誰が並んでいるかわかっているのに、並んで下さいとなぜ言わんと首を傾げる光景が、入場する時から思っていたが、係員みんな態度が雑すぎるんしゃと思ったのは私だけ?


上川隆也、格好ええやないか~い、
内山理名、想像以上にしっかりと芝居していた。
キムラ緑子、熟女の色気がムンムン。
池田成志、さすが強者。安定感がある。
波岡一喜、あと発声に一工夫があれば。
六平直政、長台詞大変だっただろうなあ。
平幹二朗、さすがベテラン。

 多分初めてだと思う三幕構成の芝居、何とか寝ずに最後まで集中して観れた。殺陣のシーンの上川隆也は、多分私が女なら「惚れてまうやないか!」となっているんだろうな、床屋の虎之助もファンにはたまらんのでしょう。

 寺田屋の階段落ちのシーンを見た瞬間、私もその階段から落ちたいと思った。一度落ちてみたいものだ。
 メインキャラクターではないが、人形を持った街道こじきがいたが、すごく印象に残っている。また途中に「動く」というで悩まされる虎之助だったけど、ここら当たりのやり取り、虎之助のすごく歯痒い胸中が伝わってきた。

 京都で虎之助、尼になった秀、半次郎の3人のシーンの池田成志の芝居、あれは息抜きなんだろうが、あまりにも面白いので、上川隆也はまじで笑っていたと思う。ちなみに今映画『鈍獣』が公開されているが、5年前に舞台版『鈍獣』で不死身の肉体を持つ凸川の怪演が頭に残っている。

  この『その男』は、忍耐強い男だったと思う。