原作:横山秀夫
脚本:大森寿美男
出演:佐藤浩市、大森南朋、新井浩文、高橋一生、岸部一徳、塩見三省、大和田伸也、赤井英和、石原さとみ



[前編]
 1985年8月12日、群馬県の地方新聞社・北関東新聞社の遊軍記者・悠木和雅は、いつものように翌日の朝刊作りに追われていた。悠木はこの日、販売局員の安西耿一郎から半ば強引に誘われて19時36分の電車で谷川岳の衝立岩へ登る予定だった。そこへ「ジャンボが消えた」という連絡が入ってくる。「日航機は墜落した模様、乗客乗員は524人」。世界最大の単独航空機事故、しかも墜落現場は群馬と長野の県境と推定されるという。現場がもし群馬県側なら、北関東新聞にとって地元で起こった大事件。悠木は日航全権デスクに指名され、全ての責任が委ねられた。

[後編]
墜落現場は群馬県・上野村の無名の山、御巣鷹の尾根だった。悠木は部下の信頼を失い、上司から裏切られ、社長からは叱責を受ける。そこに現地取材を続ける神沢から連絡が入る。事故調査官が漏らした言葉を立ち聞きした彼は、墜落原因が「圧力隔壁の破壊」ではないかと言う。裏が取れれば大スクープとなる。部下の佐山を主席調査官に張り付かせた悠木は、社内の販売局との全面対決を覚悟の上、締め切りを延ばし、印刷機の始動を遅らせる。苦悩に満ちた一週間の先に悠木が見い出したものとは、果たして何だったのか。

すでに『クライマーズ・ハイ』の映画を見ていて大筋は理解していたが、映画との違いは、悠木のバックグラウンドが違うことと、佐山の相方の記者の設定が違うことで他は全て同じのような気がした。この違いで全然違った感じに思えた。私はドラマ版の方が良いと思えた。ドラマの悠木には家族がちゃんとあって、妻、息子、娘がいる。これで悠木と子供たちとの確執が見られ、石原さとみが演じていた望月彩子が言っていたマスコミの命についての取り上げ方、このドラマを見て、映画では分からなかったことが、なるほどなあと思えた。映画でもドラマでも、地方新聞社の存在意義、方向性を悠木に自覚させる象徴的なシーンが新聞社に男の子と手を繋いだ女性が訪れて新聞を下さいと言うか無下に扱われ立ち去る姿を悠木が目にし、立ち去ろうとした女性に何日分かの新聞を渡す。ここで女性に言われた言葉で悠木は地域が求める地元新聞のあり方をさとる。
ドラマ版の脚本は、『風林火山』の脚本家でもある大森寿美男さん、『風林火山』でも原作にない部分を作り話を面白くしていたが、この脚本も私的には映画よりも好きだ。