『トランスアメリカ』
2005年 アメリカ
監督:ダンカン・タッカー
ブリー:フェリシティ・ハフマン
トビー:ケヴィン・ゼガーズ


ふと流れていた予告編を見て面白そうなストーリーだと思い予約リストのトップに登録して届いた。


主人公のブリーを演じるのは、人気TVドラマ「デスパレートな妻たち」で4人の子供に悪戦苦闘する元キャリアウーマンの母親(リネット)を演じた女優さんらしい。トビー役は リバーフェニックスの再来と評判の注目株らしい。




 性転換手術を直前に控え、ロサンジェルスで女性として慎ましく暮らしているブリーと突然現れた息子トビーの奇妙なロードムービー。性同一性障害(トランスセクシャル)の当事者が抱える苦しみや現実、その家族の想いなどが垣間見える。


性適合手術(SRS)を受ける為の同意書にサインをもらう為に、心の健康クリニックを訪れるブリーのカウンセラーに何か新しいことはとの問いに、男だったころに作った息子の話をすると、カウンセラーは心の整理をつけないと手術は受けさせないと言われ、泣きながら出て行くが、考えた挙げ句ニューヨークまで、警察に窃盗の容疑で拘束されている息子トビーを迎えに行く、父親だというのを名乗らず、父と子の教会から来たと嘘をついてしまう。トビーは薬物常習者で男娼また継父から性的暴行も受けていた模様。


ロサンゼルスまで車で向かう道中、車を降りてブリーがようをたしていると、車中バックミラー越しに、トビーは見てしまった、ブリーの股間についているものを、嘘つき呼ばわりしてブリーへの風当たりがきつくなるトビー。


このブリーがようをたすシーンは、常日頃女を意識している人間があんな行動はしないだろうと首を傾げてしまうシーンだった。


その後も車での旅は続きヒッチハイクで便乗してきた青年に油断した隙に車ごとすべて盗まれてしまう。途方にくれてしまうが、親切な前科者のおじさんに助けてもらうことができ、ブリーの両親の家にまでたどり着くことができた。


両親と妹には真実を伝えるがトビーには内緒にするようにお願いするブリー。手術が近く一門無しなので、母親に1,000ドル借金をするが、トビーを置いて行くように母親が言う、その夜トビーはブリーをベッドに誘ったり愛を告白したりするが、ブリーはもう駄目だと思い、トビーに「私はあなたの父親だ」と告げる。トビーは行方をくらます。そらそうだろう、自分の父親を口説いていたと思えばそうなるやろう。


とうとう念願だった、性適合手術(SRS)をうけ女性なったブリーだがトビーのことが気掛かりだった、トビーは美少年系のポルノ男優として仕事を始める。エンディングでは、ブリーの家にトビーが訪ねてきてソファーで楽しそうに酒を飲んでいるのがラストシーンになっていた、まあお互いを認めることができたのかなあということだろう。

性同一性障害(トランスセクシャル)を持つ男性を女性が演じるという難題に挑んだフェリシティ・ハフマンに大きな拍手を贈りたい。ブリーは、メイクの加減でかもしれないが、終始微妙に男を感じるルックスだった、フェリシティ・ハフマンは女性だから、女性のしぐさは普通だと思うが、ブリーがたまに出す男のしぐさもすごく上手く演じていたのには感心した。


最近でこそ性同一性障害という言葉を聞くようになってきたが、病気なんだから周りの人間はある程度理解してあげないといけないと思う。


この映画のトビーの立場だと冷静にはいられないと思う。自分の父親にキスをして裸で迫って挙げ句の果て結婚まで申し込んでしまった直後に、「私はあなたの父親」と言われたら冷静ではいられないだろうと思う。このての話は、今後も増えていくと思うし、理解も必要になってくると思う。


この映画の興味は、ブリーが、「私はあなたの父親」と告白するのか、しないのか、するのであればいつなのかである。結果は告白するが、すごく間が悪い時で残酷なタイミングだったと思った。