「破線のマリス」1999年
監督:井坂 聡
原作・脚本:野沢尚
遠藤瑶子:黒木 瞳
麻生公彦:陣内 孝則
山下徹大、中尾彬、筧利夫、ウルトラマンタロウ他
第43回江戸川乱歩賞受賞作
破線のマリスは、以前何かでエンディングだけ見て、ぞぉ~として背筋が寒くなったのを覚えていた、なぜかちゃんと通しで見たくなったのでレンタルしてみた。また原作も買って読もうとしていたが、今旅に出ている。
タイトルの破線は、テレビの画面は525本の横線によって切れ切れにされている。横線は実線ではなく点からなる破線らしく、テレビ画面という意味で、マリスの意味は、悪意、敵意、犯意。意味としては悪意の映像という意味にでもなるのだろう。
テレビ局報道部遠藤瑶子(黒木瞳)離婚して子供は元夫に引き取られている、郵政省の春名と名乗る男から電話があり、見てほしいビデオテープがあるとのこと、内容は郵政省に関わる内部告発だった。匿名でビデオテープを託され事件を調べることになった瑶子、確証をえない状態でオンエアーするが、そのビデオテープで犯人扱いされた郵政省の麻生公彦(陣内孝則)がテレビ局へ乗り込んできて、事実無根を訴えて、麻生と局長を含めビデオテープの再検証をしてみると、明らかに悪意に満ちたでっち上げ映像であるビデオということがわかり、局長命令で二度とこの件に関わるなあと指示される。
春名とコンタクトを取ろうとする瑶子だが、郵政省には春名という男がいないとわかる。
自分の家庭と出世を無茶苦茶にされた麻生は、瑶子にストーカーのようにつきまとい謝罪を要求する。ある日瑶子宅に瑶子を隠し撮りしたビデオテープが送られてくる。麻生の仕業と思い、それを持って麻生の職場へ乗り込む、瑶子は麻生が怪しいと再び思う。
再び隠し撮りのビデオテープが送られてくるが、そこには瑶子の部屋内から撮られた影像が……………。 冷静さを失った瑶子は、麻生の家にビデオを仕掛け隠し撮りを試みる。その映像を見て瑶子は麻生を犯人と確信する。
瑶子は麻生と口論になり、麻生を突き落として死なせてしまが、テレビ局にビデオテープが届けられるが、そこには、麻生宅にカメラをセットして出てくる瑶子と麻生を突き飛ばした瑶子が映っていた。
エンディングでは、瑶子が実況見聞していてテレビ局のカメラが並ぶ中、涙を流した少年が瑶子を撮影していた。このシーンで全てがつながる。つながった瞬間やはりぞぉ~とした。
陣内孝則がすごくいい芝居をしていたなあ。最後まで誰が瑶子を隠し撮りしているかわからないが、途中ヒントめいたセリフがあるが、それでわかる人はすごいと思う。誤った報道は、被害者の人生を変えてしまう報道する側も責任を持って報道しないといけないよと訴えていた。
そもそも、詰めが甘く、提供者の春名の身元確認せずに放送してしまった瑶子の愚かさ、完全に悪意に満ちた編集ビデオには苛立ちを覚えた。瑶子はすごく勢いとか直感で仕事をするタイプなので私は直感で動く行為は理解できるが勢いとかノリで仕事をして迷惑をかける人間は大嫌いだ、筧利夫が瑶子の上司役で現場の責任者をやっていたが、あの立場だとストレスが溜まって仕方がないだろう。
しかし陣内孝則がいい感じを醸し出していた。
