【露頭位置】

岩手県下閉伊郡田野畑村切牛 白池海岸

N39°54'16.7" E141°57'0.5" (Loc.1)

 

【参考文献1】

1:200,000地質図「盛岡」(1984)

 

【参考文献2】

杉本幹弘,1969,北上外縁帯,岩手県小本・田野畑地域の中生層.東北大学地質古生物研邦報,No.70,1-22.

 

この場所の地質体の時代・地層名・岩相について、参考文献2から引用します。

▶上部ジュラ系

▶陸中層群

▶腰廻層

▶砂岩頁岩互層

 

なお、産総研の20万分の1シームレス地質図V2によりますと、この場所は後期ジュラ紀―前期白亜紀の付加体に区分されています。

 

 

Loc.1 ここでは砂岩頁岩互層と断層を見ることができました。

Loc.1 断層に挟まれた領域では、地層の傾斜角が一部で緩くなっています。

Loc.1 砂岩頁岩互層。頁岩は黒色、砂岩は灰色を呈します。中央やや上には、比較的厚い砂岩層があります。置いてあるスケールは1mです。

Loc.1 砂岩頁岩互層。左下のスケールは1mです。

Loc.1 砂岩頁岩互層

Loc.1 砂岩頁岩互層に変位を与える断層。1mスケールの右端の先にある右下がりのラインが断層です。

Loc.1 砂岩頁岩互層に変位を与える断層。断層の下盤では層理の傾斜が緩くなっているところがあります。

Loc.1 砂岩頁岩互層に変位を与える断層。破砕帯の幅は10cm前後です。右下のスケールは23cmです。

 

Loc.2 ここでは砂岩、頁岩、貫入岩?らしき謎の岩、それらに変位を与える断層を見ることができました。露頭上部の砂岩の厚さは10m以上あります。

Loc.2 写真左下が頁岩、中央に断層破砕帯、右上に塊状砂岩があります。置いてあるスケールは1mです。頁岩の層構造と断層は概ね平行です。

Loc.2 破砕帯の幅は約1m~0.3mです。右下では破砕帯の幅が狭くなっています。左端に1mスケールを立て掛けています。

Loc.2 破砕帯の接写です。左下に頁岩、右上に砂岩が写っています。

Loc.2 破砕帯(左下)と塊状砂岩。左端のスケールは1mです。

Loc.2 破砕帯(下)と塊状砂岩(上)

Loc.2 扁平な砂岩岩塊(1mスケールの直上)を含む頁岩。

Loc.2 扁平なレンズ形の砂岩岩塊を含む頁岩。このような構造があるということは、堆積当時の整然とした地層の姿が失われていることを示唆します。

Loc.2 左~中央が頁岩、右の灰色の岩が砂岩岩塊です。

Loc.2 頁岩の接写です。純粋な泥岩ではなく、砂岩の薄い層が挟まれていることが判りました。

Loc.2 頁岩と接する謎の岩がありました。緑色がかっていることから、凝灰岩質の泥岩のようにも見えます。ただし、泥岩にありがちな葉理に沿う細かい板状の割れ目が、この謎岩には殆どありません。左下のスケールは1mです。

Loc.2 頁岩と接する緑灰色の岩

Loc.2 もしかすると、この謎の岩は貫入岩ではないかと思いました。境界近傍にだけ縞模様が発達しており、これは貫入岩周縁部の急冷相にあたるのではないかと解釈しました。岩石の薄片作成・顕微鏡観察をすれば決着を付けられると思うのですが、恐れ入りますがそこまではやっていません。とりあえずのところ、当記事では貫入岩?と扱うことにいたします。

Loc.2 黒色の頁岩(上)と接する緑灰色の貫入岩?(下)。頁岩には板状の割れ目(走向傾斜:N1°W 40°W)が発達しており、貫入岩?の接触境界面もこれと概ね平行です。

Loc.2 泥岩と貫入岩?の境界の食い違いから断層の存在が判ります。右下のスケールは1mです。

Loc.2 頁岩と貫入岩?に変位を与える断層(走向傾斜:N88°W 68°N)。破砕帯の幅は10~40cmです。

Loc.2 頁岩と貫入岩?に変位を与える断層。下端のスケールは23cmです。

Loc.2 石英あるいは方解石によって間隙を充填された断層角礫。

 

Loc.3 塊状砂岩に変位を与える断層(走向傾斜:N57°E 67°NW)。破砕帯の最大幅は1.7mです。下端中央に1mスケールを置いています。

Loc.3 塊状砂岩(左)と断層破砕帯(右)。写真中央には、幅約20cmの土砂状の断層ガウジがあります。スケールの長さは41.5cmです。