GDL〜Golden Diamond Love〜156 | みゅーのブログ

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✱第156話✱ 「Conversation with KUROKAWA」


少し遅れてコインパーキングに来た、ジヨンを乗せた車。

先に来て自分の車の前に立って待っていた黒川に、スンホが車の中から声をかけた。


「車の外で話すと人目もあるから乗ってください」


ニューヨーク出身のスンホ、英語はネイティブスピーカー。

黒川が英語を話せるとわかったので今度は英語で話しかけた。


黒川は軽く会釈をすると、スンホが指をさした後部座席のドアを開けた。


ジヨンはタバコを吸いながら全開にした窓の方を向いている。

乗ってきた黒川を見ようともせず。


「えと・・・あの、はじめまして。」

黒川が挨拶をしてもジヨンは返事をしない。
顔も向けない。


「あ、悪いんですけどぉ・・・
万が一なんかあると困るんで、邪魔かもしれないけど僕ここにいますから よろしく。
あ、僕は彼のマネージャーです。」

スンホが黒川に話しかけた。


「あ、はい、わかりました。
すみません、いきなり・・・。」


黒川は低姿勢だった。


それでもジヨンはまだ黒川のほうを見ない。


「僕今からリセちゃんと食事しに行くんです。
彼女待たせると悪いんで、単刀直入にお聞きしますけど」

黒川がそう言うと、ようやくジヨンは黒川のほうへ顔を向けた。


すごくクールに。
怒ってるようにも見える表情だ。


「ほんとにつきあってんの?」

逆にジヨンのほうが単刀直入に黒川に聞いた。


「・・・ええ。つきあってます。
もう彼女のことは忘れて仕事に専念されてはいかがですか?」


ジヨンはカチンときた。


おまえにそんなこと言われる筋合いねーよ!

とイライラしたが、黒川は年上。

礼儀とかじゃなく、ジヨンは自分が熱くなってケンカ腰で接したらきっと子供っぽいと思われることを気にした。

それは悔しいので、言葉を飲み込むためにペットボトルのミネラルウォーターをゴクゴクと飲む。


「お仕事は・・・進んでます?」

黒川はまだ言ってくる。


さすがにジヨンも

「俺の仕事のことは今関係ないだろ」

声を荒らげるわけではなく、ペットボトルのフタをしめながら小さな声で言った。


「あんたはどういう成り行きでリセと付き合ったんだ?」

ジヨンは聞いた。


「リセちゃん、恋人に会えない毎日に疲れちゃったんですよ。だから、"俺なら毎日でも会えるよ?" ってアプローチしました、僕の方から。」

黒川は足を組み、両手を膝にかける格好で落ち着いて話した。


「俺とは別れたほうがいいってあんたがリセを説得したのかよ」

ジヨンは、梨世が黒川の言いなりになってしまったんじゃないかと思い、カッときたのでちょっと強めに言った。


「・・・そうですね。
そう言ったこともあります。
でも事実でしょ?
海外を飛び回ってばかりでほとんど会えもしない恋人が彼女の笑顔を守れますか?」


図星を言い当てられ、返す言葉もなかったジヨンだが、聞きたかったリセの様子を聞いた。


「で?あんたは?
リセの笑顔守れてんの?
リセはいつも笑顔でいられてんの?」


梨世が自分と別れた後どういう状態なのか。
自分と同じように哀しく思っているのか。


それとも


もう新しい恋を楽しんでいる毎日で笑顔が絶えないのか。


「・・・そうですね。
いつも笑顔ですよ、リセちゃん。
癒されますよね、彼女のあのあったかい笑顔。」


ジヨンは頭をなぐられたみたいにショックだった。


絶対にリセを黒川から取り返すつもりだったのに

もし彼女が俺を忘れて毎日楽しく黒川と過ごしてるなら


もう自分にはリセとの未来がないかもしれないから・・・



だからといって、ここで引き下がるつもりなんかない。

口が裂けても「リセとお幸せに」なんて言ってやるものか!


女々しいと言われようが、俺は好きになった女に関しては諦めの悪い男なんでね。



ジヨンはキャップを取って前髪をかきあげ額を出し、キャップを前後ろ逆にしてかぶり直した。

しっかりと黒川の目を見て話すために。


「Mr.KUROKAWA。」

ジヨンは黒川の顔をのぞき込むように、そして挑むような視線で言った。


「今はやらなきゃならない仕事がたまってるから会える時間が取れないだけだ。
とにかく今やってる仕事はもう少ししたら一段落する。そしたら必ずすぐリセに会いに行く。
俺はなにがあっても彼女をあきらめるつもりはない。 」


黒川はたじろぐこともなく、じっとジヨンを見ていた。


そして言った。

「Mr.G-DRAGON。」

黒川はジヨンから目をそらさずに続ける。

「あきらめない・・・?
僕はかまいませんよ。
・・・彼女がそれを望むのならね。」


黒川も負けてない。


ジヨンは2度目のパンチをくらった感じだった。


そうなんだよな
俺が必死に望んだってリセが同じ気持ちじゃなかったら意味がない。


ジヨンは、黒川が「リセちゃんを君には渡せない」とか言ってくるんじゃないかと思ったのにこう言われるとは思わなかった。


まいったな・・・

やっぱり1人でカッとしてムキになってる俺は子供みたいじゃないか。


「じゃ、僕行きますね。
リセちゃん待ってるんで。
僕は、あなたがリセちゃんと離れたことで仕事がうまくいっているのかが知りたかっただけなんで。

・・・リセちゃんも気にしてますし」


そう言うと黒川は車を降りて自分の車に乗ってパーキングを出ていった。


少し黒川と話してみたジヨンは若干焦っていた。


思ったよりもマシな男なのかもしれない。


リセが本当に黒川しか見えなくなってしまうこともありえるかもしれない、と。



でも最後の黒川の言葉が気にかかった。


「リセちゃんも気にしてますし」


どういうことだろう。

リセ、俺の仕事のことなんて気にしてんのか・・・?


ジヨンは黙りこんだままタバコをくわえた。


スンホも黙って車を出す。


ホテルに戻るしかなかった。


梨世と顔を合わせることもないまま・・・