日本に到着したジヨンは、今までにないほど慎重に入国した。
途中まで被っていたハットは脱ぎ、無地の黒いビーニーを深くかぶって、黒マスクは日本では目立つと思ったので使い捨ての普通の白いマスクをした。
服も、機内で着替えておいた。
サンローランの普通の白黒ボーダーのロンTに黒のスキニーパンツ・リックオウエンスの黒のパーカーを羽織った、ジヨンにしては地味目なスタイル。
スンホも、あまり近くにいると目に付くと思ったのか、少し離れて歩いてくれている。
空港はひとまず誰にも気づかれずにクリア出来た(と思う)
あとはタクシーでスンホがとってあるホテルへ向かうだけだ!
よし!
バレずに入国出来たぞぉ

「腹へったーー。なんか食おうよー」
スンホが言った。
「ダメダメ!どこで誰に見られるかわかんねーから!ホテルでルームサービスとろう。」
「チェーッ!恵比寿でラーメン食いたかったなぁー。」
「悪いっ!今度好きなものいくらでもおごるから!!(>人<;)」
「仕方ねーなぁ。いいよ、ジヨンに任せますよー。」
「コマウォー!」
そして2人はホテルに着き、部屋でとったルームサービスをつまみながらワインを飲みくだらない世間話をしていた。
「なぁ、ジヨンが会いに来た子って・・・」
「・・・」
「あの子でしょ。ほら、渋谷の洋服屋の店員。NAKOになんだかよく似てた・・・そう、フジサキ!」
「・・・(笑)お前 名前までよく覚えてんなぁ(笑)」
「やっぱり!そうだと思った!」
言い当ててスンホは嬉しそう。
「まぁNAKOに似てんだからもともとお前の好みだろうし。・・・あの子俺ら帰るとき泣いてたよねぇ?あれなんで??ペンなの?」
「なんだよ(笑)いきなり色々聞いてくるんだな(^^;)」
「そりゃあさ、仕事終わりにいきなり日本まで連れて来られたんだぜ?事情ぐらい教えてくれてもいいんじゃないの?」
「・・・うん・・・。そう。あの子。普通の一般人の、“G-DRAGONペン”。
・・・俺さ・・・
わかんないけどあの子のこと好きになるかも。
てか、もう好きなのかも。」
「えええええーっ!!そ、それけっこうな爆弾発言じゃね!? え、だって・・・お前・・・NAKO・・・」
「うん。菜子がいるよな、俺には。
ずっと菜子しかいなかったし、これからもそうだと思ってた。
・・・でも・・・あの子はなんか違うんだよ。
可愛いからとかだけじゃないと思うんだ。
そこらの可愛い子たちとは違う・・・。
なんなのか良くわかんないんだ、俺自身。」
「・・・その子に会って本気になったらどーすんの。NAKOのことは・・・。」
「・・・それ今聞くなよ・・・ゆっくり・・・考える・・・」
ジヨンはスンホの質問攻めから逃げるようにベッドにダイブして突っ伏した。
「明日の約束は夜なんだー。それまでヒマ。ゆっくり寝るよ。スンホも暇にさせて悪いけど、とりあえずここにいてね。頼むよ。」
「うーーん。1日何してろと・・・(笑)
信用できる友達でも呼びつけるよ。
明日の夜はジヨンどこに泊んの?」
「・・・菜子。」
「あーあー、見事にプレイボーイっすなぁ!(笑)女を渡り歩いちゃって・・・」
ジヨンは自分でも反省しているイタイところを突かれたので、ムカついてスンホに思いっきり枕を投げつけた!
「いってぇぇぇーー!!なんだよもぉー!
早く寝ろッ!プレイボーイめ!!」
悪気のないスンホの軽い意地悪がなんだか可笑しくなってきてジヨンはクスクス笑っていた。
「ほんとだなー。一途なはずの俺が!
ある意味ほんとすごいよ、リセって!!」
そしていつの間にか朝。
というか、もう午後だった。
ジヨンは本当によく眠る。
放っておいたら軽く夕方までは寝ちゃうだろう。
眠りからまだ覚めず、目だけ開いている状態のジヨン。
少しずつ意識が戻る。
“今日は・・・7時には店に行ってないと・・・
これからシャワー浴びて・・・
着替えて・・・
ちょっと髪の毛テキトーに乾かして・・・
あー、髭剃り持って来たっけ・・・? ”
まわらない頭で色々考えつつ、ノッソリとベッドから起き上がる。
タバコに火を付け、冷蔵庫からボルヴィックを取り出しゴクゴク飲んだ。
頭を掻きながら時計を見る。
「・・・もう3時半か・・・」
なぜかスンホの姿がなかった。
あいつー!ホテルから出るなって言ったのに!
フラフラして見つかんなよ~!
iPhoneをチェック。
カカオトークでスンホから
『すぐ戻るし見つからないように気をつけるから!でもさ、俺一人だと誰にも気づかれないぜ?? ジヨンと歩いてりゃ、“あー、マネージャーのスンホね”ってなるけど(笑)』
とメッセージが来ていた。
『気づかれないところに潜伏しててよ!』
とだけメッセージを返した。
リセからのメッセージはない。
ブログもインスタもあげてない。
・・・忙しいのかな?
SNSでの音沙汰がないとさみしいもんだ。
俺のペンたちもそうなのかな?
俺が何もアップしないと寂しいと思うのかな・・・?
ジヨンはタバコを消してシャワーを浴びてくる。
シャワーから出たジヨンは軽く香水をふり、髪の毛はどうしよう・・・と鏡を見ながら悩んだ。
実はジヨン、自分では何もスタイリングできないのだ。
いつもかっこいいヘアスタイルにしてくれるヌナがいないとほんと洗いざらしのままでいるしかないんだよね・・・
今は黒めの髪で前髪が長めのストレートだ。
近々久しぶりにクルクルパーマにしようかと思ってる。
今日は・・・どうせ何も出来ないし帽子かぶっちゃえばいっか!
リセと会う店は薄暗いし誰にも見られないし。
結局いつものプライベートのジヨンで行くことにした。
リセは友達を連れてくる。
相手が俺とは知らずに。
ジヨンの予想としては、俺だと気づいたら そのお友達は遠慮して帰っちゃうとかじゃないだろうか?←予想というより願望
ジヨンは、友達にニコニコしながらも“お願いだから帰ってください♡”のオーラを出そうと思っている(笑)
だってリセと2人で会いたいんだもん!!
ジヨンは韓国の空港で突如、梨世に何かプレゼントをあげようと思いついてしまい、買って持ってきている物があった。
それは香水だった。
ジヨン自身、数年前まではあまり香水を使わない方だったのだが、やはり香りもオシャレの一貫だなと思い始めてからは何種類か使ってみている。
基本的に、これからの寒くなる時期は特に甘めの香りが好きだった。
もちろん菜子の香りと同じものは絶対贈りたくなかったし、人気のある有名な香りも嫌だった。←人と同じとかありがちが嫌い
コソコソしながらも免税店で香水探しをしていると、“あ・・・これ・・・リセだ・・・”という香りを見つけてしまった!
これはどこのパルファム!?と見てみると。
大人気のクロエ

ええー、なんだよ、ありがちになっちゃうじゃん!!・・・と、独自の感性を大事にしているファッショニスタジヨン様のプライドが許さないところだったが・・・
今年新作のクロエ。
名前は『LOVE STORY』
んんん。
いいんじゃない?名前も!
流行りのものはイヤだったけど、すごくリセのような優しい花のイメージだし、これにしよう。
と、リセにChloeのLOVE STORYをシャワージェル・ボディーローションもセットで購入したのだった。
この時点で
リセの友達の分はない ←帰らせる気マンマン
さてと。
いくつか持って来た服の中で何を着ようか、しばし迷う。
でも、今日はG-DRAGONじゃなくてジヨンを知って欲しくて行くっていうのもあるからな。
もちろんスッピンで、ありのままの俺を知って欲しい。
もしかしたらリセはステージでかっこいいG-DRAGONだけが好きなのかもしれない。
女にメロメロになっちゃう、マンネで甘えん坊なクォン・ジヨンをどう思うか・・・。
ほんとに普段着のようなスタイルに着替え、バッグにしっかりプレゼントを入れて、ジヨンは早々と部屋を出た。
