さよなら絶望先生-30 | 鷲

私の読書の感想

糸色家 長男 ”絶縁”こと縁さんが”結婚相談所”を始めた。

縁さんは離婚弁護士をしているが、この儀は”死後結婚”なのだ。
若くして亡くなった夫婦を祝す”冥婚”、離縁。
最近では亡くなった人を尊重するようになり、二次元との結婚も行ったりする。
これは痛すぎる!!
棺の中にアニメグッズを・・・・・・・・・・・・・・・。
そして式でアニソンを・・・・・・・・・。
じゃないとこの世に未練があると言って、なかなか成仏してくれないらしい。
この際、結婚相談所の事はどうでもいい。
何故、を迎えにこなかったのか?
それは
――――――――――――――――――近寄ることができなかったから。
あまりにも”ソレ”が強力すぎて。
影武者の鎧。正体は縁さんだった。
内側には、無数に貼られたお札―――――。
これでようやく、なんとか学校に侵入することができたらしい・・・・・・・・・・・。
縁 「持っていけ望」

絶望に無数の巻物を託す縁。
・・・・・・・・・・・・・・・・・先生の顔は真剣だ。


クラスでは席替えを行っていた。
でも黒板に書かれた文字は”籍替え”だ。

卒業式開始。
先生のクラスの生徒達の卒業式。
皆一列に並び校歌を歌い、1人ずつ先生の下へ歩いていく。
絶望 「千陀新院柚里真線童女
木津 「―――――――――――――――はい。」
一人一人今まで聞いた事ない名前を呼ぶ先生。
だが、
まるでそう呼ばれることが決まっていたかのように返事をし檀上へ上がっていく。
そして全員分の証書を渡し終え、卒業式終了。

先生はこれから新しい赴任先へ向かうらしい・・・・・・・。
音無さんに感謝の気持ちを伝えるメルメル父。
教室に入る交。
出席簿には長々しい名前がズラリ。
新井 「それは死者につける名前
     ――――――――――――――戒名よ。

皆の席には思い出の品と呼べるようなものが一人一人の机に置かれていた。
小節なら尻尾。
木村のカッパ。
藤吉の同人誌―――――――――――。
新井 「籍替え・・・・・・・・・・・・・・・・鬼籍に入るか・・・・・・・・・。」

島に着く先生。
そこには3人の子供の姿が・・・・・・・。
先生 「全員で3人?」
子供 「いや、”ヒロシはまだ生きている”から3,1人!!」
そこには確かに3人しかいない。
交もこの島にやってきていた。
どうやら先生はこの島で、ヒロシという男の子を成仏させようとしているらしい・・・・・・。
交を指さし。
先生 「ヒロシはあなたです。」
―――――――――――――――――――?
小節 「交くんがヒロシの依り代になるってことよ」
白い服を着た小節さんと、その他の生徒達・・・・・・・・・・。
彼女達は依り代。
この世に未練があり
卒業できない子供の霊を体に纏い学園生活を送っていた。
これは必然だったのかもしれない。
ここにいる生徒達は皆、”自殺未遂者”。
死のうと思っていたが失敗して生き延びた・・・・・・・・・・・。
一人の”女の子”のせいで。
死にたかった魂死にたいと強く思っていた魂が二つ交わり。
学校に集められた。
名前も知らない、友達もいない。級友なんて存在しない偽りのクラス
いまだ成仏できない昭和の霊達に、平成から昭和に偽り。
絶望していた彼女達が教室に入ったその前に一人の”教師”が立っていた。
絶望”がいてそれが最後の”希望”だった。
でも時が過ぎるにつれて
皆、仲良くなり偽りのクラスが本物のクラスへと姿を変えた。
だからもう一度呼ばせてほしい―――――――――――――。

生徒 「絶望先生―――――――っ
さよなら絶望少女たち。

倫 「代理名家も百年やれば名家か・・・・・・・・・・・。」
交に依り代が務まるのか。
霊との波長が合わないと交信はできない。
縁 「でも実際の所、彼女達を依り代にしたが霊が成仏したとはわからない。」
供養は死んだ者に対してではなく、残った者に対するもの。
卒業時のメルメル父の感謝の気持ちを考えると、供養はできたのだと思う。

一人の探偵が命医院を訪れる。

風浦 可符香”とは一体なんだったのか?

彼女は臓器提供者だ。
本名、”赤木 杏”。
自殺に失敗したのは彼女の身体から
木津さんには”心臓”を 
小節さんには”角膜”を 
小森さんには”肺”を――――――――――――――移植したから。
いわば”逆ピノコ”。
執刀は新井。
新井 「皆は私を悪魔と呼ぶでしょうが・・・・・・・彼女は天使です。」
そして
赤木という女の子から臓器を体に受け取った彼女達は”記憶転移”、”幻想”をおぼえる。
初めて命の下を訪れた風浦は”常月さん”だった。
次の日は別の生徒―――――――――――。
彼女達は毎日、順番に”風浦”を演じていたのだ。
それを皆は無意識に彼女と認識し接していた・・・・・・・・・・・・・・・。
共有人格。
じゃあ何故名前を風浦 可符香にしたのか、それは赤木の好きだった本。
フランツ・カフカの”変身”から名付けた。
ある日目覚めると、風浦は小節になっていて、ある日目覚めると風浦は木津になっていて。
ある日目覚めると――――――――――なっていた。
さよなら風浦 可符香。


そして、倫の前に現れる久藤くん
姿は聖職者、神父、聖書を片手に持っている。
彼はキリシタンの家に生まれ、血液を受け取った。
この地に一時期保護されていたらしい、血液の融合に寛容だったから。
ここは彼の生まれ故郷みたいなもの。


他の男子生徒は先生にもしもの事があった場合のバックアップメンバー。
だがもう必要ないみたい。

木津さんはドレスを全員分持ってきた。
きちんとフェアにするために、でも一着多い
赤木は彼女達の中にいる。

全員、ウエディングドレスを身に纏い、先生に”死後結婚”をお願いする。
もちろん先生はビビりなので生徒達から逃げ回り―――――――――――――。
建物の中に入る・・・・・・・・・・と。
ドレスを着た風浦の姿が・・・・・・・・・・・。

絶望 「あなたは誰の中の”カフカさん”ですか?


昔、先生は一人の女性に出会った。
しかし彼女は自分の帽子を風で飛ばしてしまい、
それを受取ろうと先生を追って道路を渡ろうとしてに轢かれた。
先生は彼女が死んだのは自分のせいではないかと深く悩んだ・・・・・・・・。
そして決心した、責任をとって彼女と”契り”を交わそうと。


一人の記者がとある島に訪れた。
この島の”噂”
一人の男がハーレムを作っていると――――――――――。
初めて訪問した時、その男は小節さんを紹介した。
が、
次に会った時には別の女性を紹介した。
その家には複数の女の影が確かにある・・・・・・・・・・・・・・・。
これが先生の純愛
愛した一人の女性を追いかけて、その姿が見え隠れする彼女達と離婚と結婚を繰り返す。
ある日は彼女のを愛し、ある日は彼女の心臓を愛し、ある日は彼女の声帯を愛する。
一人の女性を愛する先生は、同時に彼女の一部を愛する。

すぐにこの島から離れようとする記者。
??? 「船長さーん。お船に乗っているから船長さーん。」
まるで風浦をそのまま子供にしたかのような少女。
しかもその姿は妻一人に一人。

―――――――――――――――名前は”のぞむ
それが臓物島と呼ばれる島で私が見た事実です。

しかし、天候は急に悪くなり・・・・・・・・・・・・海は荒れ・・・・・・・・・・。
岩壁に衝突し、気付けば砂浜。
出血がひどい記者は、彼女達から輸血され・・・・・・・・・・・。
臓物島、血みどろ船長さん♪
わが血がほしいかわけてやろう♪
明日は嫁入りうれしいな♪

さよなら絶望先生 全30巻
おしまい。