Gloria Macapagal-Arroyo
2011年11月...
フィリピン・マニラ市内の病院に入院していたアロヨ前大統領は、選挙妨害容疑で逮捕されました。
(2004年大統領選挙での不正、および2001~2010年任期中の汚職疑惑により)
ベニグノ・アキノ現大統領は、アロヨ前政権時代の汚職の追求を公約に掲げて当選していたため、公約を実行した形ですね✋
アロヨは大統領任期中、前任のエストラダ元大統領を汚職容疑で訴追し終身刑に追い込んだものの、恩赦を実施!
エストラダ→アロヨと、フィリピンでは大統領が2代続けて汚職容疑で逮捕される事態となったのです。
アロヨは2012年、横領容疑で再逮捕!
(宝くじの基金を不正に流用した疑い)
流用額は約3億ペソ(約5億7000万円)
汚職撲滅を進めるアキノ政権は前大統領が汚職を繰り返したとして追及!
(アキノさんは潔白かなぁ)
【アロヨ政権】
エストラダ大統領の失権で、副大統領だったアロヨは2001年1月から新大統領となります。
(このときは、国民に選ばれたわけではありません)
エストラダの残りの任期(~04年)を務めた後、2004年の大統領選挙で、国民的映画俳優のフェルナンド・ポーを破り当選!
しかし、2005年には夫・息子の違法ギャンブル運営疑惑が浮上し、さらに、大統領選挙での「開票操作疑惑」
(会話の内容が暴露されました)
2006年には、海兵隊兵士などによるクーデターの動きが表面化!
アロヨは、国家非常事態宣言によってその動きを押さえ込みました。
出稼ぎなどによる海外送金が着実に増加していることもあり、2007年のGDPは7%を超える高い伸びをみせたものの、国民の経済格差・貧困問題は深刻で、大統領の親族らが関与する汚職疑惑が絶えず、2007年にも国軍不満派の決起騒動が起きるなど政権は常に不安定でした。
アロヨは2004年、
フィリピン軍をイラクから即時撤退させました!
イラクでフィリピン人のトラック運転手が武装勢力に誘拐され、釈放の条件はフィリピン軍のイラクからの即時撤退でした。
(その後、誘拐されていたフィリピン人は無事解放)
このときアロヨは、「決断を後悔していない」と笑顔で語っており、
私は「アロヨはいいリーダーだな~」と感じたものです。
(フィリピンには日本と同様アメリカの軍事基地があり、相互防衛条約もあります。歴代政府はアメリカ追従型で、国民の間にはそれもやむなしという空気と反発する空気が常に交錯しています。日本とよく似ている状況下での英断)
決定的な違いは、フィリピンはアメリカの植民地だったこと...
そして、フィリピン国内にはイスラム過激派の独立を求める動きが常に存在していること...
日本以上にアメリカと一心同体のフィリピンが、イラクでの活動においてアメリカとの連携を絶った決断は称賛に値するものでした。
それなのに、
こんなにもひどいブラック政治を行なっていただなんて...
あまりにもショックで顎がはずれそうになっちゃいました
【フィリピンとアメリカの関係】
そもそもフィリピンは
マレーシアやインドネシアなどの住民であるマレー人が移住してきたところ...
そこに、大航海時代のマゼランがやってきて、そのスペインの影響で国民のほとんどはキリスト教信者になってしまいました。
(他の国のマレー人はイスラム教徒)
1898年、フィリピンを欲しがったアメリカはスペインを打ち負かし、植民地とします。
その後、アメリカ議会の民主主義が植民地政策を修正し、フィリピンの独立を促していたところ、日本軍がフィリピンを侵略!
これに怒ったアメリカ軍はフィリピンを奪還。
このため、フィリピンは独立した後もアメリカ追従の立場から脱することができないでいるのです。
(日本はアメリカ軍にいてもらうために大量の金銭を支払っていますが、フィリピンは、自国のテロリストと戦うためにアメリカから軍事援助をもらっています)
【アロヨとクリントン】
アロヨは、アメリカのジョージタウン大学で経済学博士課程を修了しましたが、その時の同級生にクリントン前大統領がいました。
(アメリカの出方を熟知していたアロヨだからこそ、フィリピン軍を撤退させることができたのかもしれませんね)
【家族を大切にするフィリピン人】
フィリピン人のルーツであるマレー人は何よりも家族を大切にします。もちろん、フィリピン人も家族が大事。
そんな理由からか、老後を海外で暮らそうとする日本人が一番好むのはフィリピンだそうです。
そんな、血縁を大切にする行動が政治にも顔を出し、汚職が横行してしまう...
なんとも気の毒な話です...
【フィリピンのプライドを守ったアロヨ】
建前では、人種差別がないとされるアメリカ社会の一流企業において、優秀な中国人やインド人はリーダーになり得ても、優秀なフィリピン人はなかなかトップにはなれません。
(従順であり、見下されているフィリピン人は、アメリカ社会では正当に評価されないのです)
このような背景もあってか、
アロヨは、イラクからの撤退でアメリカ政府から非難されるのを承知のうえで、
自国民のために決断したのです。
このままでは、いつまでたってもフィリピン人のプライドは傷つけられたままだ...と
さらに、こういう自己主張が民主主義社会の中では必要なことだと国民に示したかったのかもしれません。
不正さえしなければ、
フィリピンを先進国に導くためのリーダーとして申し分のない逸材であったのに...
アキノさんには
3代続けての汚職大統領にならないことを強く願うばかりです
【追伸】
現在フィリピンには、スーパー台風とも言われている台風4号が接近中。
大きな被害にならないことを心より祈っております。