ある日、夢で「ある町のある場所に来てくれ」と言われました。
私はなんか気にかかっていてたまたま近くだったのもあり、次の日の朝、電車に乗ってその町へ行きました。

そこは都会なのに古びた団地風の住宅があり、まだ昔ながらの自然の残った気持ちのいい場所でした。近く土地開発があるようで、「住民の反対」の立て看板があったことを覚えています。

私がそこら辺を散策していると「ここは神の踊り場なんだよ」と いう声。「だから護って欲しい」とも聞こえました。私は「そうしたいけど、この土地はもう開発が決まっていて、私の力ではどうにもできないのよ」と…。

すると、その声の主は「では、ここを守れないよ」と言うんです。
「あなたは誰?」という問いかけに「産ぶすなの神」と答えてくれました。

そのあとはただ風に揺れる木々の音だけ…。私は砂を噛む思いでゴメンナサイと心で叫び、家路につきました。

それから月日がたち、その町は開発で高層ビルが立ち並ぶ場所になってしまいました。まるで童話の「小さなお家」のように…。でも、童話とちがったのは、そのあとそこで大事故が起こったこと。

産ぶすなの神様とは、土地や山などを守る鎮守様とも言われる神様です。この神様はその土地の自然の中、例えば木の下などに住んでいて、そこの土地に住む者達を守っていてくれるのです。愚かな人間は自分達の利益の為に自然を壊し守り神を祟り神にかえてしまったのでしょうか?    つづく