阪神3歳牝馬ステークス〈現・阪神ジュベナイルフィリーズ〉の初代チャンピオンはニシノフラワーである。

それまで牝馬の2〈3〉歳チャンピオンは、3歳牝馬ステークスや他の重賞競走の成績で決めていた。但し、1980年の朝日杯3歳ステークスを牝馬のテンモンが勝ったのでその年は彼女でチャンピオンは文句はなかった。

翌年は阪神3歳ステークスを2着したヤマノシラギクが3歳チャンピオンなのかと思いきや、1頭大物を忘れていた。それは、ニッポーテイオーとタレンティドガールの近親で1982年のエリザベス女王杯を勝つことになるビクトリアクラウンである。今とは違いエリザベス女王杯を勝った牝馬はその後のローテーションが斤量もローテーションもキツくなり、有馬記念や或いはジャパン・カップをGIレースは『定量戦』という理由のみで使ったものである。秋の天皇賞は1983年まではまだ3200メートルであった時代のことである。

僕は1981年の有馬のアグネステスコも1982年の有馬のビクトリアクラウンも確か馬券を買って応援していた。53キロは有利だと思えたし。でも、当時のホウヨウボーイ・モンテプリンス・アンバーシャダイには日本の牝馬で勝つことは難しかった。〈だから、メアジードーツ・オールアロング・スタネーラといった欧米の牝馬は本当に強くみえた。〉

牝馬のヤマノシラギクは古馬になってから、小倉大賞典と京都大賞典〈2回〉に勝ち、その他数多くのグレードレース〈重賞競走〉で善戦した。でも、彼女のような健気なサラブレッドが古馬牝馬のGIレースをJRAが創設する一翼を担っていたならば、それは僕にとってもとても嬉しいことである。

ビクトリアクラウン〈エリザベス女王杯〉

ヤマノシラギク〈1985京都大賞典・向う側〉

ビクトリアクラウン VS ヤマノシラギク