室内楽のプレ・コンサートが終わった頃、後ろのご夫妻とおぼしきふたりの会話が聞こえてきた。

「アンケート書くの面倒臭いな。」

との台詞が聞こえたので、僕は、

『アンケート書くと、無料🈚の招待状が貰えるんです。』

と話し掛けた。

『そうなんですか？』

『だから、面倒でもアンケート書いてください。団員の方もアンケートは役に立つ、と仰ってましたから。』

『分かりました。』

いちょうホールは大ホールといえども狭く席は次第に一杯になってきた。僕の隣に母子連れと思われるふたり組がきたので、

『ここ空いてますよ。』

と言った。あとで書く予定のJ:COMホールは比べても、いちょうホールは手狭だ。

間もなくコンサートが始まった。

https://youtu.be/KpPt2IakzMk

「献堂式」序曲 Op.124Provided to YouTube by JVCKENWOOD Victor Entertainment Corp.「献堂式」序曲 Op.124 · Kurt Masur,Conductor/Gewandhaus Orchester LeipzigBeethoven:Kokyokyoku Jokyoku Ze...

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Op.124 だから、1820年代の作品か？

僕はこの『献堂式・序曲』をコンサートで聴くのは初めてであったが、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは当時のウィーン市民階級を代表する偉人であり、難聴を理由に筆談で会話していたのも、

「実は盗聴を防ぐためである。」

と言った説は今回初めて知った。

僕は音感が狂っていてこの『献堂式・序曲』も『交響曲第1番』もハ長調ではなくニ長調に聴こえてしまうが、ベートーヴェンがもしも「難聴」であるとどのように作曲し、またどのような曲は作曲できないか長いこと疑問であった。僕にはその真実を確かめる手段はないが、彼の楽譜は高く売れ、コンサートホールにも人がたくさん入ったらしいし、現在聴いても名曲の羅列である。だからこそ、彼の難聴に疑問符を付けるひとがいるのだろう。

先ほど紹介したように次の曲も、ベートーヴェン。

https://youtu.be/ySLW8D6V7fM

Beethoven - 1 ère Symphonie (Kurt Masur)

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↑↑↑よく知られた肖像

↑↑↑名曲を数多く残したベートーヴェンは、「清貧の人」ではなく市民階級を代表するもその生活は豊かであったらしい。ウィーンのカフェに通い、グルメでもあったとか・・・。実物のベートーヴェンはこれに近い顔をしていたとされる。

〈この項・続く〉

『八王子市芸術文化会館・いちょうホール』へ part.2