【世界人権宣言第1条

すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。】

↑↑↑こういう、抽象的な作文は困る。過去の人間についてやこれから生まれて来る人間については、特別な言及はない。第1次・第2次世界大戦で亡くなった者、スペイン風邪で亡くなった者、ヒトラーやスターリンたちに粛清・虐殺された者などについても特別な言及はないのは、これから生まれて来る人間について主に語ったものか？・・・

・・・『これがニーチェだ』は『私・今・そして神』に較べて『デキは悪い』と永井均先生は語っているが、もちろん底の浅い理性で判断されたテクストではない。

永井均先生は繰り返し、

『哲学には本音と建前があり』

と語ります。本音とは、人間は不平等である。というものであり、建前は、人間は平等である。というものであります。

僕はこのような二重構造すら論破できない情けない人間ですが、もちろん「本音と建前は使い分けます。」

日曜日に確かcool japanで、

「何故日本人は本音と建前を使い分けるのか？」

と外国人たちは「自分たちは本音と建前は使い分けない。」との立場から批判していましたが、外国人も特に〈哲学の立場では〉建前を言います。それはそれで良いのですが。

しかし、遺伝子多様性の立場からは、人間の遺伝子多様性が失われるのは恐らく大問題です。

人間の顔も体つきも似たりよったりになり、健康も寿命も生涯収入も似たりよったりになり、政治思想も哲学も芸術も似たりよったりになるのでは、たとえ平等とそして自由が達成されたとしても、そんな金太郎飴な人類では間もなく滅亡するでしょう。

個々の存在の多様性〈自由〉はある程度認めるとしても、平等〈無個性〉はそれ自体「罪」です。それこそ、僕の批判する「同一性のファシズム」です。

僕は確かにドゥルーズやデリダの右派に属するかも知れませんが、肝腎要のところは踏み外してはいないと思っています。

2023/03/08 21:49

しかしながら、このまま人類が生物多様性を失くし、環境破壊を続けるならば、人類は退場するべきと考えます。

まだまだ、書かなければ分からないことはあると思いますが、世の中たとえ人間のことだけを考えたとしても、

①全員が乳児のまま死んだとしても、

②全員が大谷翔平選手の身体能力を持ったとしても、

③人類を生かす立場からは困るかと思います。

僕の愚かな友人のひとりは、

④神様は人間を平等にお造りになさった。

と語ります。責めて人並みになりたい人間はそう言うかも知れません。でも、キャリアも身分も才能も上がいるからこそ、彼らも努力するのです。

残念ながら、議論は思考が深い方が勝つ、とは限りません。ジル・ドゥルーズや蓮實重彦さんの語る『表層』や『表層の不自由』は間違いなく『ことの深層』について語ったものです。それも分からず、

「表面的な議論と質問」

を吹っ掛けるのは止めてもらいたい。

哲学にも「本音と建前」がある。