ヨハネス・ブラームスは交響曲を4曲作曲したが、その4曲すべて途轍もない傑作である。今まで3曲紹介したので今回は最後の交響曲第4番について書きたいと思う。

クルト・ザンデルリンク指揮

シュタツカペーレ・ドレスデン

サー・ゲオルグ・ショルティ指揮

シカゴ交響楽団

ブラームス交響曲第1番は、ベートーヴェン交響曲第5番・第9番のように、

『短調〈マイナー〉で始まり、長調〈メジャー〉で明るく華麗に終わる。』

構造となっている。それは曲が完成された1876年9月の時代背景にも依るらしい。

ところが、交響曲第4番が初演された1885年10月には時代背景〈状況〉は一変し、

『短調〈マイナー〉で始まり、短調〈マイナー〉で暗く荘厳に終わる。』

曲調となっている。

第1楽章　ホ短調　2/2拍子

第2楽章　ホ長調　6/8拍子

第3楽章　ハ長調　2/4拍子

第4楽章　ホ短調　3/4拍子

これを踏まえた上で実際に曲を聴いてもらいたい。

https://youtu.be/BVQspUYgEVs

ブラームス：交響曲第4番ホ短調作品98 ザンデルリンク 1972クルト・ザンデルリンク指揮ドレスデン・シュターツカペレKurt Sanderling / Staatskapelle Dresden 8-11 March.1972Brahms : Symphony No.4 in E minor, Op.981. Allegro non troppo 13:05 (0...

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https://youtu.be/6gT824OEnP8

Johannes Brahms - Symphony No. 4 in E MinorSir Georg SoltiChicago Symphony OrchestraSymphony No. 4 in E minor, Op. 98 by Johannes Brahms is the last of his symphonies. Brahms began working on the piec...

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コンダクター〈指揮者〉もオーケストラも4曲共通であり、シカゴ交響楽団の金管楽器に若干ブラームスの滋味溢れる演奏を感じないひとが出るかも知れない。

第1楽章　ホ短調　2/2拍子

悲しげなヴァイオリンで奏でられる第1主題とチェロとホルンが伸びやかに歌い上げる第2主題が対照的に奏でられやがてトゥッティ〈全合奏〉へ。この提示部は繰り返されず、短い経過句を挟んで展開部となり、第1主題に基づく入念な展開が繰り広げられる。以下、再現部を経てコーダに至り、第1主題がカノン風にトゥッティとなり、悲痛な気分のピークで終わる。