こんにちは。
61回目、好きな本シリーズ「今日の一冊」第十九弾!
このブログの常連、江上剛著




『天あり、命あり〜百年先が見えた経営者 大原總一郎伝』です。
江上剛得意の実在モデルありの企業小説です。
舞台は大手化学繊維メーカーのクラレであり、二代目社長の大原總一郎が社運を賭して国内初の合成繊維“ビニロン”の開発と、そのプラント(工場設備一式)の中国への輸出のために奮闘する物語。
ナイロンは誰でも知っていると思うのですが、ビニロンって聞いたことなかったなぁ……いまは主に工業用、産業用の素材として使用されているようなのですが、昔は学生服などにも使われていたようです。




僕も中学、高校と、6年間、いわゆる詰め襟の学ランを着ましたが、ひょっとしてその頃もビニロン素材の学ランが出回っていたのでしょうか?
小学生時代のランドセルはクラリーノ(クラレの人工皮革)でしたけどね。




国交が断絶していた中国に対する輸出には非常に高いハードルがあったのですが、總一郎はまさに社運を賭けて、その事業に取り組みます。
總一郎の行動は執念ともいえるものなのですが、それは戦時中、自社の工場を軍需工場として軍部に協力したこと、若い社員を戦地に送って多くの犠牲者をだしたことに対する贖罪だったのです。

ということで、本日はこの辺で。
また、お会いできますように……