2018年8月
東京の猫カフェ「MOCHA 立川店」へ勤務するスタッフから「感染症(パルボウイルス)が猫カフェ内で蔓延しているにも関わらず、適切な対応が取られていないため、猫の死亡が続いている」という旨の告発がありました。


この告発に対し東京キャットガーディアンのTwitterでは、原因となったパルボウイルスの恐ろしさを詳細に伝えるツイート、経営側を非難するツイート、告発側を鼓舞し支援を呼びかけるツイートなどを次々にあげました。

 


画像はその中の一部です。

 

 

しかし「MOCHA 立川店」の告発が行われる約2ヵ月前の2018年5月20日、
東京キャットガーディアンの第一シェルターでもパルボウイルス が発生していました。


その際に東京キャットガーディアンはそれを発表することも、パルボウイルス の発生を理由に新規の収容を止めることも行いませんでした。
 
パルボが発生した日以降の第一シェルターへの収容状況は以下の通りです。(把握できている範囲のため、これ以上の可能性もあります。)

 


東京キャットガーディアンでは、パルボウイルス発生から11日間で57頭の猫を第一シェルターへ収容し、そのうちの9頭はワクチン未接種、33頭は収容日にワクチンの接種を行っています。

感染猫を隔離したとしても、上述の期間は第一シェルターにパルボウィルスの潜伏期間(2〜14日間)にある猫がいる可能性が十分にあり、新規収容は危険だと私たちは考えます。
新規収容する猫にワクチン打ったとしても、免疫ができるまでには時間がかかります。

そのことについては東京キャットガーディアンのサイトに詳しく記載があり、危険は十分に承知しているはずです
以下は東京キャットガーディアンのサイトからのパルボウィルスに関する記載の抜粋です。

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【発生後11日間の間に免疫力の無い猫を収容することの危険性がわかる記述】
https://tokyocatguardian.org/hospital/parvo/より抜粋


”(潜伏期間として2~14日間)。”

”この感染症に罹患した個体は症状を発現する約3日前からウイルスを排出することもある”

       注)東京キャットガーディアンでは、疑わしい症状が出た猫のみ、パルボ検査を行っています。

”陽性であるのに検査で陰性と出る可能性がある”

 

【収容当日のワクチン接種では免疫が不十分な可能性があることがわかる記述】
https://tokyocatguardian.org/hospital/vaccine/より抜粋


”「抗体産生まで5〜7日、ワクチンによっては数時間〜数日以内で顕著な防御」”

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(パルボが発生したら、)「人の出入りと猫達を含む物流を止めないと。」

そう発言した東京キャットガーディアンです。

子猫が収容されるのは、積み重なった衣装ケースでした。
上から猫砂や食べこぼし、被毛が下にいる猫のケージに入る可能性も、ケージから手を出して横の猫と接触する可能性もあります。

この状況でも「自分たちは大丈夫」なのでしょうか?


当団体の「MOCHA 立川店」へ対するツイートでは「件の猫カフェさん、必要なら電話をください」と発信しています。

 

 


しかし、接触できた「MOCHA 立川店」告発側の関係者に聞く限りでは、当団体から直接的なアクションはなにもなかったと伺いました。
「MOCHA 立川店」スタッフを鼓舞するツイートやパルボの危険性を訴えるツイートを、なぜ当事者へ直接届けなかったのでしょうか。


知識がなく、パルボウイルスが蔓延する施設へ猫を収容することは恐ろしいことです。
しかしパルボの恐ろしさを詳細に知っているにも関わらず、それを承知で収容を続ける施設はもっと恐ろしいと私たちは考えます。

 


※【補足】パルボウイルスとは
感染すると猫汎白血球減少症という病気を発症するウイルスです。
免疫のない子猫がワクチンを接種せずに感染すると、7〜9割の確率で死亡するとも言われています。
成猫でもワクチン未接種かつ免疫のないの場合、死に至ることがあります。