アフリカ大陸初開催となるサッカー・ワールドカップ(W杯)が11日午後(日本時間11日夜)開幕する。開催地・南アフリカを知ってもらうチャンスとして、日本国内の交流組織は期間中にさまざまな計画を立案。アパルトヘイト(人種隔離)を乗り越えて人種・民族和解のためにマンデラ元大統領が唱えた「虹の国」の実像を伝えたいと、各団体は奔走している。

 今年2月、アフリカ研究などを専攻する全国の大学生や雑貨店主らは「Viva! South Africa Team」を結成した。代表の大阪大大学院生、黒須仁美さん(24)は「W杯開催で注目される今、南アのために何かしたいと思った」と語る。6月19日に名古屋、20日に福岡で、民族衣装のファッションショーや南アに関するクイズ大会などのイベントを開き、決勝前日の7月10日には大阪府茨木市で南ア人らとフットサル大会を開催する予定だ。

 開幕直前の5日には東京都世田谷区でトークショーも主催。茨城県の高校の外国語指導助手を務める南ア人のプセレツォ・ブシ・ンコパネさんは「治安が悪い場所はどこの国にもある。W杯は南アの良いところを伝える機会になる」と笑顔で話した。

 南アのエイズ孤児の支援活動を行っているNPO「シェア 国際保健協力市民の会」は今月、子供たちの現状をまとめた本を発刊した。同会によると、南アのHIV(エイズウイルス)感染者は07年末時点で570万人。世界の感染者の6人に1人が南ア人とされ、W杯を機に多くの人に悲惨な状況を知ってほしいと訴える。NPO「アフリカ日本協議会」も26日、新宿区で南アの研究者やエイズホスピスのボランティア経験者らを招き、公開座談会を開く。

 04年に新潟で結成された市民組織「虹の国・南アフリカ交流友の会」のブログには、W杯で南アへ行く旅行者らから相談メールが寄せられている。代表の鈴木千枝子さんは97年に新潟で公演した南アの少年合唱団に魅せられ同会結成を呼びかけた。これまで16回現地を訪れ、南アに友人も多い。W杯期間中は日本戦を観戦する友人から話を聞くなどして随時、南ア情報をブログで発信する予定だ。「雄大な自然と人々の優しさに魅了されました。W杯を契機に印象が変わってくれたら」と声を弾ませた。【馬場直子】

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