月 MOON | TIME IS・TIME WAS・TIME IS NOT

TIME IS・TIME WAS・TIME IS NOT

All contents composed by Tabuchi I.


TIME IS・TIME WAS・TIME IS NOT-月

α700 300mm F4 0.8s ISO100 トリミング  2011/12/10/23:59

月/つき/Moon/Luna
(日本語/かな/英語/ラテン語)

うさぎの餅突き、かぐや姫など月に纏わる物語は膨大にある。月は、大きく明るく輝いていて誰にもみることはできるのに誰も行くことはできない、別世界。

ナルニア国物語やリンドグレーンと並ぶわたしの(ある時期に特に愛した)愛読書に"月へいくアポロ宇宙船"(1)という本がある。ノンフィクションのドキュメンタリでタイトルそのままにサターン・ロケットの開発やフォン・ブラウンの生い立ち、そしてアポロ宇宙船が月面に到着するまでの話が書かれている。E・H・シェパード(2)の挿絵を眺める様に、この本のサターン・ロケットの図を飽きる事無くみていた。

わたしの中では、朝びらき丸で世界の果てに向かったカスピアン王(3)と、月に向かったアポロ11号のアームストロング船長は相似形だったのだろう。誰も知らない、誰も行ったことのない世界への旅。

アポロ計画は米政府のフィクションだと今でも信じている人もいるらしい。その人達にとってはアポロはファンタジーに他ならない。ファンタジーと現実世界の区別はその程度のものではないか。
しかし、ナルニアへの扉の開け方は誰にも解らないが、アポロでは科学技術という方法が月への道を示している。わたしがやがて工学部に進んだのは自然な流れだろう。

ミオ(4)やクドリャフカと違ってカスピアン王とルーシーは世界の果てからナルニアに帰り、更にルーシーはナルニアからこちら側の世界に帰ってくる。
レイチェル・カールソンの"沈黙の春"(5)が出版されたのはアポロ計画の開始の翌年のこと。近代文明の帰る先は何処なのだろう。


(1)月へいくアポロ宇宙船 ― 宇宙の神秘をひらく驚異の記録 日下実男 偕成社
(2)くまのプーさん A.A.ミルン E.H.シェパード絵 石井 桃子訳 岩波書店
(3)朝びらき丸 東の海へ ナルニア国ものがたり C.S.ルイス 瀬田貞二 岩波書店
(4)ミオよ、わたしのミオ アストリッド・リンドグレーン 大塚勇三訳 岩波書店
(5)沈黙の春 レイチェル・カールソン 新潮社
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