テレビ番組「ガイヤの夜明け」で名古屋の鉄部品メーカーが新市場開拓として素晴らしい鍋を開発。
中小企業の生き残りをかけてヒット商品を生んだ。いい取り組みだ。

その鍋で海外進出を図ろうと、上海での市場調査を東京のPR会社が市場調査もするということで依頼。

上海で消費者モニターに説明と試食をする集合調査の状況が映像で流れて、これじゃいかんと思った。

その鍋で試食させた料理が、カレー!
馬鹿じゃないか?


日本では国民食とまで言われるカレーだが、中国では普及しておらず、まだ食べたことない人もたくさんいる。

カレー専門店は中国、香港でも最近、COCO壱番屋がハウス食品の資本を入れ、展開を始めたばかり。きれいなイメージの店でせっっ客サービスに力を入れて人気が出てきているという段階だ。

ハウス食品も中国展開するにあたり、味については中国の香辛料である八角などを使ったりして、ローカルスタッフによって現地仕様にし、色も黄色を強めたりするなど試行錯誤して開発している。

ハウスはこの2~3年でスーパーマーケットでのプロモーションとして店頭試食デモ販を展開中だ。なじみのないカレーを中国人たちに食べさせて、簡単においしい調理ができるとアピール中の段階だ。

従って集合調査では女性参加者たちの反応は、おおむね不評。

参加モニターに2週間、使ってもらっての反応は、まずまずの評価もあったが、基本的に料理も調理方法も日本とは違う習慣の中国でどう市場開拓をチャレンジするか、しっかりした仮説が必要だ。

調査設計が綿密に練られ、その上で仮説の検証という、マーケティングプロセスを踏むべきだ。

今回、具材の煮込み方が弱いとか、味がどうとかの話も出ていたが、そもそも論で中国人が一般的に食べている料理を出すべき。日本人の味覚でおいしいと思うものが、必ずしも中国人がおいしいと思わないことはしょっちゅうあることだと認識すべし。

このドキュメンタリーが流れては、世の市場調査会社が甘く見られる。
こういうのは気に入りませんな。

$愛と正義のマーケティング男は情熱で~福岡九州からアジアを望む
写真は上海で展開するCOCO壱番屋(昨年11月撮影)

再チャレンジをおやりになるなら、カレーではない料理に変えることを祈る。

これ書いてたら、カレー食べたくなってきた。。。