昨日のブログ記事に書き込みをいただいたり、別の方から直接ご意見もいただいたので、今回は顧客満足度の話に触れましょう。
マーケティング男の専門領域なので今回は、仕事モードで書いてみます。
顧客満足度へのアプローチ
顧客満足度の向上策に浸ってきた賢い顧客たちは、さらなる満足度を求めます。
では、満足度の基準とはどう見たら良いのでしょうか?
一般生活者がその生活シーンの中で、消費の現場での原体験がその人にとっての基準レベルを形成して行きます。マック、ロッテリア、吉野家、松屋あたりを基準にする人もいれば、都市の一流シティホテル並みを基準にして幅広い視野で見れる人もいるでしょう。その人、自らの人生体験(原体験)や親しい人の体験を聞いたり、テレビ等のマスコミから得た情報による疑似体験を積み重ねて、その人の価値基準が形成されていきます。テレビ、新聞、雑誌、等のマスコミは、ある人や組織の意図によって編集・表現されるので、何らかバイアスがかかっていたり、事実ではないことが伝えられたり、事実を曲げて伝えられることも多いようです。
しかし、ネチズンという言葉によって表されるように、今日、ネット社会のシチズン(市民)が、個々の意思を堂々とインターネットというツールを使って公けに発表・表現できるようになりました。そういった文明の進化によって、顧客満足の原体験情報もマスコミでは得られない他人の原体験情報を得てネチズン社会の基準が形成され、そのスピードもほとんどリアルタイムに伝播する社会となってきたわけです。
アマゾン・楽天など商品・サービス評価や、ホテル旅館の評価、グルナビなどのレストラン・居酒屋・カフェなどの評価は、皆さんが良く触れておられるかと思います。皆さんの大多数の方は、書き込みを見て多少のネガティブ評価があったとしても多数のポジティブ評価・高位の評価の存在によって、その判断はプラス評価へと働くことになっていると思います。ネガティブ情報も、ネット上の誹謗中傷、風評の流布などは問題あるとしても、直接フェイス・トゥ・フェイスの現場ではクレームなどを言わないサイレントカスタマーがネットで書き込むということが今後も増加していくでしょう。
そのような成熟したネチズンたちの進歩と増加は、一方では情報デバイス(情報格差)の広がりや歪みも生みますが、その行為を為す者が得られる特権として当然だとする風潮は、益々広がりますから、生活者と向き合う事業者(特にコンシューマー・マーケティング企業)は、この流れを敏感に掴み、対応した戦略を構築し、先手を打って実行しなければならないわけです。
CS(customer satisfaction)、顧客満足度向上は、さらに感動的な喜びを与えるとする customer delight という方向性も示されたりもしています。また、その事業体の接客担当従業員が自らの原体験無しでは、顧客満足も高いレベルに行くはずがないとしてES(employees satisfaction)従業員満足度を重視する経営も広まってきています。
そういう意味では、すべての民間事業者の競合先は、ディズニーランドやリッツカールトンであると言っても過言ではありません。同業他社の接客対応に関する情報収集はもちろんのことですが、異業種でも接客現場での高い満足度を発揮して成功している企業を研究し、自社の顧客満足度向上を進め続けねばなりません。これこそ、マーケティング・エクセレンスへと躍進できる鍵だと言えます。
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