福岡に生まれ育ち、仕事も生活も福岡であるにもかかわらず、初めて聖福寺に足を踏み入れた。


先週土曜日、博多区御供所町の聖福寺では「仙厓さんと七日間」というイベントが開かれており、博多きものパスポートというプロジェクト関係のきもの専門店、博多一十さんからのお誘いで参加した。


境内中門で受付。

普段は「拝観謝絶」として立ち入りを禁じているがこの1週間は開放。聖福寺のひっそりとした空間が美しい。


当日は、「仙厓さんの御膳」参加者のみが上がれるのだが、着物着用がルール。

女性は白足袋、白襟と徹底している。

当然ながら、小生も白足袋、羽織姿だ。

本堂に用意された御膳をいただく。

琴と尺八の演奏付き。九大の邦楽部が着物姿で演奏。邦楽スタンダードで場の雰囲気も上々。


完璧な精進料理。肉、魚は一切無い。

これに、生姜御飯、建長汁が加えて運ばれる。その後、茶菓子に抹茶が振舞われた。


 本堂には、でかい木魚が鎮座。

中庭は日本美の極致か。日本建築の心地良い空間が広がる。


 入り口前の屏風は、仙厓和尚直筆の水墨画。

この期間中、仙厓和尚直筆の水墨画の掛け軸などが一般公開。他所では見れないものを拝見できた。

(画像をクリックすると拡大できます)


このお膳のお振る舞いはこの一日限り、11時からと13時からの2回で百膳とのこと。


小生が参加した第一回目の参加者内訳は、女性約40数名:男性6名と、女性が約8割。

しかも一人で参加しておられる方も結構いらっしゃる。

ここでも、女性の文化度は男性を圧倒することを数値データで確認できた。


文化的マーケティングは、女性をしっかり研究せねば成立しない。


頑張れ、男性諸氏よ!

着物着て、そうつこう!(博多弁で=歩き回ろう)

また、博多は禅寺が日本での発祥の地でもあり、古くからのお寺も多い。いつの間にか京都が本拠地のように受け取られてしまっているが、もっと博多の寺社文化を見直して博多のプライドを復興させると良い。


一方で、博多の気質として「来る者を拒まず」といった許容度、気運的な開放度も高い。

そのことが博多が持つ地域資源を眠らせ、埋没させていると思うのは偏った見方だろうか。真剣に福岡の観光を育成するならば、世界中にその名をとどろかせる戦略だって、そう難しいとは思えない。


・・・ただし・・・

気候も温暖、食べ物も美味しく、人も優しい、物価も安い。コンパクトながらもそれなりに都会気分も味わえて、ちょっと動けば豊かな自然を満喫できる。切羽詰っているわけでもなし、せかせかせずとも楽しく生きていけるといった、自己完結できやすい都市だけに真剣に動くかどうか、または本当に観光振興が必要かという議論自体が難しいかも・・・・


聖福寺の当日の模様は、西日本新聞社のサイト「西日本新聞きもの倶楽部」の中で、掲載されている。


http://www.nishinippon.co.jp/webclub/kimonoclub/archive/200840/archive200840.shtml