先週、仕事でお邪魔した南島原市では、日中は観光資源のフィールド調査に同行した。


これまでは島原市~雲仙~小浜と言う観光ルートはあっても、南島原半島の南側を回遊するルートはほとんど無かったし、地元の方々も観光という意識がほとんど無かったようだ。現在、長崎県で取り組もうという事業の一連として掘り起しを図ろうと地元での取組みが始まったのである。

野山、海、歴史、食べ物など、まだまだ観光商品として脚光を浴びているレベルにまで育成されてはいないが、磨けば光りそうな素材も結構あることがわかった。


少し紹介すると、日本の棚田100選に選ばれたところがある。

棚田マニアは全国の棚田をカメラをぶら下げて巡っており、ここも観光ポイントとなりうる。


ここは南島原市白木野谷水地区付近。

海も見える場所に素晴らしい景観。赤い彼岸花(曼珠沙華ともいう)が景観に色を添える。

※写真はクリックすると拡大できます
 


 

景観を保全し生産活動を続けようとの運動も展開中だ。


また、島原の乱の天草四郎が立てこもり最後の砦となった原城跡など、自然環境の中で穏やかにその姿を眠らせているようだ。発掘調査が進むに連れ、その全容がわかって来たそうだ。


 

景観が広がるのどかな場所に原城がある。天草四郎像は長崎平和記念像の作者として有名な北村西望の作。

ここ、南島原には氏の生家に作品を展示した北村西望記念館もある。



 原城を説明してくれる観光ガイドさんたちが待機。

この土地を愛して、一肌脱いで協力しておられる貴重な方々だ。


島原はそうめんの一大産地だ。過去には三輪そうめんの大部分を占める供給地だったが、産地表示の問題で島原産として販売を進めねばならなくなった。最近でこそ、島原そうめんが全国でも知れわたって来たが、地域をリードする産業である製麺業には諸問題も多い。


製造業者が300軒ほどあるそうだが家族のみの零細規模も多い。業界自体の足並みやマーケティング戦略などの経営課題に対する解決策に手をこまねいている状態のようだ。


また景勝地を少々の演出・脚色をすることや、諸々の地域産品に磨きをかけて特色ある製品として育て上げ、マーケティング戦略もしっかりと進めれば、この地に観光客の回遊はもちろん、当地での販売拡大と共に他地域への販売拡大も望めると思われる。最も重要なことは、地元の方々が現状から脱却して課題解決を図ろうと本気で取り組むかどうか。情熱と実行力の問題だ。


折角のご縁なので、頑張っていただきたいと思う。

今後も陰ながら応援したい。