友人のスポーツライター、井上光成をご紹介したい。

福岡市在住で、王監督をはじめ、福岡で活躍するトップレベルのスポーツ関係者、アスリートたちに直接取材して記事を書いている。その彼が数日前に送ってくれたくれたメルマガを転載する。


※以下転送記事をそのまま掲載。(個人情報部分はカットした)


井上光成です。大変お世話になっております。
決して負け犬ではありませんが、王監督の話題です。気楽にお読み下さい。

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なおメルマガご不要の場合は、ご面倒ですが返信にてお知らせ下さい。

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「負け犬でも良いじゃないか!で終わりたくない人たち」(vol.080924)

●最後のことば

9月22日の試合前、幸運にも監督と至近距離になったので思いきって声をかけた。

*常々、ピッチャーが先手だとおっしゃいますが、打つためにはバッターが主導権を取るんですか?

「当然、バッターが主導権を取らないと。だがウチには球種を読んで決め打ちする人がほとんどいない。ピッチャーからバッターが主導権を取る考え方がわかっていない。初球から狙って主導権を握れば良いんだ。
特にサヨナラで決めるような時は、初球から狙い打ちしないと。何でも打っていこうとしてスイングが中途半端になる。見逃し三振でも良いんだよ。自信を持って打席に立てば、ファンもベンチも、次は何とかしてくれる!と思うし、それが信頼になる」

*それがトータルで3割、何十ホームランになるわけですね

「そう。何でも打ってヒットに出来るのはイチローぐらいだろう。そのイチローでも打ち損じたりして4割いかないんだから。他の選手は狙って打つのが精一杯。しかも、狙ってる球が来ても外れてボールになれば打てないんだから。
ただ、今は球種が多いので、読み合いが複雑になってきた。昔は直球とカーブ、シュートくらいしかないし、フォークも誰もが投げるわけじゃない。それに、ヘボなバッターが多かったから、直球に詰まらせて打ち取ることができた。今は全部の球種を投げるので大変。だからこそ、結果を残すためには初球から狙い打ちするしかない」

*そういったセンスがあるかどうかは、一目見てわかるものですか?

「違うんだ!気づくかどうか。オレは遠回りしてやっとわかった。それを今、気づいてくれるために言っているだけ。高速道路があるんだと言っても、わざわざ下の道を回って行く人もいる。10人のうち1人でもわかってくれたらそれで良い」

*監督ご自身も遠回りされたんですか?

「それがわかるまでは荒川さんにしごかれたよ。でも人間は不思議なもので、打てると、きついこと忘をれてしまってやる気が出るもんだ。ウチ(のチーム)も、コレ!と決めた人にはコーチが付きっきりで鍛えた方が良いね。今は、寝泊まりしながらというのはないけれど」

*荒川道場の見直しですね

「(自分にとって)幸いというか、荒川さんには子供がいなかったんだよ。奥さんも野球に理解のある人で、特訓の手助けをしてくれた。寝食を共にして練習するような環境が、今となっては良かった。それに頑丈な体も必要。おかげで大きな故障せずに練習できた」

*気持ちの面で必要なことはあるんですか?

「この世界は、野心がないと。もっとうまくなるんだ、もっと上に行くんだという気持ち。金じゃないんだ。金には限界がある。イチローの残しているものも、金では計り知れないだろう」

*監督が残されたものも、金額ではなくて他の人が届かない世界なんですね

「体が頑丈なこと、マンツーマンで鍛えるコーチ、本人の野心、こういったことが揃って良い選手が生まれ、高い世界に近づく。一つでも欠けると、なかなか難しい」

・・・最終的に王監督は結果責任を取った。その前日、記者に囲まれてこう言った。


「ピッチャーも含めてだが、ぶっつぶれても良い!という気持ちでやるべき。
そこそこの成績でで10年働いて給料をもらっても、たかがしれている。
どんな結果になっても、責任は選手に一切ない。ただ、自分が本当にどれだけ打ち込んだかを、もう一度考えて欲しい」

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井上光成
主催NPO http://www1.bbiq.jp/s-gear/
ブログ http://blogs.yahoo.co.jp/kousei_gear
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なかなか興味深い、王監督の言葉をレポートしてくれた。

辞任発表の前日の監督の言葉だ。

サンキュー!