ラグビーシーズン真っ盛りとなってきた。

しかしながら、小生が高校時代に教わってきたラグビーのことが、世界のプロ化で相当変わってきた。


ラグビーを小生が魅力的なスポーツと捉えてきた事のいくつかをこれから書いていこう。(多分時々)


「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE」

これはあまりに有名な言葉。個人と組織の概念だが、社会人になって企業論としてもそのまま当てはまる至言だ。そして鍛えられた個々の力とそれがチームとなってさらに、1+1=2以上の力を発揮することができる。個人の能力が高いスタープレイヤーが何人いても、チームプレイができなければ勝てないことも多い。


小生が素敵だと思っていたことは、味方のプレイヤーがゴールラインを越え、トライをした後のそのプレイヤー。

トライ後にただ黙々と自陣に引き返して行く。派手なパフォーマンスは無い。同じチームメイトも、同じように自陣へ引き返す。

これはそのプレイヤー個人が取ったトライじゃなく、全員でとったトライだという思想で、トライゲッターも、内に秘めた喜びで、気恥ずかしそうに走って戻る。

(最近のプロ化の伸張が、このマナーを消してしまったが)


「サッカーは野蛮人がする紳士的なスポーツ、ラグビーは紳士がするワイルドなスポーツ」

・・・レフェリーにすべてを委ね、自らルールを守ってプレイすることが徹底されている。


ボブ・ディーンズのエピソードは、胸に深く刻まれる。

1905年、ニュージーランド代表オールブラックスが英国遠征でウェールズとの一戦。相手からリードされていて、ディーンズがタックルを受けながら、同点トライを決めた。しかしレフェリーから見えない位置で、トライは認められなかった。ウェールズの選手からもトライだと認める者もいたが、判定は覆らず。スコットランド、アイルランド、イングランドを倒し、この一戦でグランドスラム達成のはずが、唯一の敗北。この3年後にディーンズは24歳の若さで亡くなるのだが、直前に言ったことが「あれはトライだった」と。

(このエピソードは日本代表ヘッドコーチのジョン・カーワンの随想記事より一部引用)


ラグビーは、走り、体をぶつけ合う、格闘技的要素を持つ激しいスポーツだが、このエピソードが示すルールやチームに徹底して従うラグビー精神の真髄は、これからも脈々と語り継がれることだろう。