歌舞伎見物
歌舞伎ファンの母を連れて親孝行の日。
博多座の六月公演の日程が終わりに近づいて、やっと観劇できて感激!
本公演の夜の部の演目は、
1.菅原伝授手習鑑
2.韃靼
3.弁天娘女男白波
菅原伝授手習鑑では切腹をする役の梅玉の好演、女房役で取り乱す色っぽい時蔵の好演。中でも目を引いたのは若手女形役の梅枝の若々しい色気に満ちた好演。・・・梅枝は伸びる!
韃靼では、さすがの坂田藤十郎、老いてもなお現役。色気ムンムンの舞踊劇で本領を見せる。総勢約30人ぐらいでの群舞はブロードウェイミュージカルにも匹敵するパワー溢れるもの。創作ものは世界を視野に置いている。現代劇のようなダンス&ミュージカルを相当意識していることが窺える。
弁天娘男白波!これぞ歌舞伎の醍醐味!実に晴れがましい!
若き弁天小僧役の尾上菊之助。弁天小僧は、これから菊之助のはまり役じゃないだろうか。相方の尾上松緑も力強い好演だ。
さてさて最後の締めくくりは、白波五人男の登場!一人ひとり登場。かっこいい!そして五人が勢揃い!いやー、最高!大迫力!ライブの緊張感、空気に役者の緊張感、見え、肉声が伝わってくる。衣装も何ともかっこいい!舞台も美しい!
この日は花道のすぐそばだから、菊之助や松緑の花道での絡みも目の前で楽しめて、本日感無量!
帰りの電車の中では・・・
「知らざあ、言って聞かせやしょう。浜の真砂と五右衛門が、歌に残せし盗人の、種は尽きねえ七里ヶ浜、その白波の夜働き、以前を言やあ江ノ島で、・・・・・・・えーっと・・・・・・(記憶が・・・・中略)・・・・
それから若衆の美人局、ここや彼処の寺島で、小耳に聞いた音羽屋の、似ぬ声色で小ゆすりたかり、名さえゆかりの、弁天小僧菊之助たぁ、俺のことだぁぁ!」
まさに、どうだまいったか!・・・菊之助もいいねぇ・・・脳裏でせりふを摘みながら帰路・・・歌舞伎は実に面白い!
博多座 六月歌舞伎
http://www.hakataza.co.jp/kouen/index.html
開演前の緞帳 今日の客の入りは7割程度か。梅雨の平日か。
歌舞伎幕。日本の色彩だ!
小生は自称隠れ歌舞伎ファンだが、初心者の方へのお勧めしたい歌舞伎の題目は、やはり!
勧進帳。または弁天娘女男白波(弁天小僧+白波五人男)。これなら何度見ても、役者が変わっても飽きることなく見続けることができる双璧ではないかと思っている。
そこで博多座でもマーケティング男の視点は?と言えば
顧客満足度!
マーケティング男は、ここの顧客満足度に注目。
ここの係員は特にお年寄りへの親切さが徹底している。
観客席の随所に係員が適度に配置され、客の動きに目配りを徹底。
母が着席しようとする正にその時に、クッションを持って来た。縮んで腰が曲がった母に、お尻用、背中用に二枚置いてくれた。「長時間ですから、ちょっときついかも知れませんから」と、言葉もさりげなく優しい。
別の場所の車椅子の方にも完全に付き添ってご案内と着席のお手伝い。また演技中は席に通さないのが原則だが、近くの席の老夫婦にはミニライトを低い位置で床に当て遅れてきた客を静かに誘導。他の客への細心の配慮を持って案内している。・・・うん、やるじゃないか。
お年寄り相手にする仕事の皆さん、またはターゲットがお年寄りの仕事の方、ぜひ一度、博多座の係員の動きをしっかり注意深く見ていただきたい。
ディズニーランドが実践する顧客満足とは次元の違う顧客満足のスタイルがここには満ち満ちている!
ま、それはそれとしてエンターテインメントは、やっぱりライブが一番だ!
歌舞伎は、また行くぞ~!