北京空港がオリンピック目前で、とてもきれいになっている。

先月の中国出張で見てきた北京空港の話。

 到着後、筆者は長い動く歩道を延々と歩く。


建物はピカピカで気持ちよい。

入管(イミグレ)入境審査の係員の中には、ニコニコして迎える者もいたりして、気持ち悪いほど。

(・・・と言っては元も子もありませんが)

 イミグレ直前から下層(一階)が見れる


 

入国審査を通って、まだ手荷物を受け取らずに電車に乗って移動。(やや不安)

空港内電車の途中ではまだ工事中の状況が、覆い隠してないので、よくわかる。


 

ともかくきれいなことは良いこと。


ただし別便で来た方は、とんでもない事態に遭遇。オペレーションの連携などが不備だったりしている。

案内の係員の指示通りに移動したところ、係員しか入れない場所のところで乗客全員が立ち往生させられた。たまたま機長ら一行が後からやって来て、そこの従業員用のドアを開けさせて乗客を通したから良かったものの、言葉のわからない日本人客たちはなす術がなく、とても困惑し不安だったそうだ。

こんなことが現実に起きている。



数日後、

今度は北京から、大連に向けて出発時。

新空港は、中国の象徴である「龍」に見立てたデザイン。


 

龍の背中のように見える屋根のラインが見える

C1.C2.C3とターミナルがあり、間違うと大変な移動を強いられるので要注意だ。


中国のデザインは多種多様で素晴らしく圧倒されつつも敬服するのだが、何かにつけてテーマが「龍」一辺倒で済ませば誰も文句を言わないのか、コンペで通り易いのか、デザインに全体主義的思想も支配されてるならば、それは考え直したほうがいいかもしれない。と、勝手に懸念する筆者であった。


空港内レイアウトなどを見ると、これだけ建物は立派でも、やはり後進国に見える。

マーケティング男としては、物申さざるを得ない。


存在すべきでないところに高級ブランドショップがあったり、出発ロビー二階のレストランのレイアウトの拙さなどは気になるところ。


 搭乗手続き。ここはC3

空港のロビー中には、タスキがけの案内人が多数配備されていて、結構親切な状況を作っている。

こういうことは実に歓迎すべきだ。


大地震の後のことも心配だが、実際正常にオリンピックが開催されるとなると、ここ空港に関しては、定期便もチャーター便などの臨時便などでごった返すことだろう。


問題はそこ。彼らがちゃんと受け容れ対応できるのかということ。

空港は建物設備のハードだけではなく、レストラン・店舗なども含め総合的なソフト対応が求められる。ITシステムに限らず、空港というものは人的ソフトウェアが基盤にしっかり備わって初めて機能する総合的システムだ。


笑顔や親切は大歓迎だが、にわか訓練した係員だけが増員されたとしても、それだけではマニュアル以外の応用的対応が不全となる可能性は消えず、何らか不具合がきっと起こるのは必定。


管理者、もしくは現場管理者そのものの親切、ホスピタリティ、緊急の対応、適確な指示、その指示系統など、今回の四川大地震での災害活動にもなぞらえることができるかもしれないような、統合的システムが必要だ。


北京オリンピックが予定通り、また問題も起きず成功裏に開催されることを祈るのはもちろんだが、この空港がスムーズにトラブルなく乗客のホスピタリティを満たしてくれることを切に願う。