キノコ類の大量摂取が奏功していた“うつ病性障害”の1例 | gcc01474のブログ

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【症例報告】
キノコ類の大量摂取が奏功していた“うつ病性障害”の1例

                         


【抄録】
 キノコ類の大量摂取が“うつ病性障害”に奏功していた症例を経験した。
 症例は自身の病気を慢性疲労症候群と自己診断し、ウイルス全身感染の治癒のためにはキノコ類の大量摂取が最も有効と考え、それを自ら行い、それが奏功していた。
「“うつ病性障害”はウイルス感染である」あるいは「マイタケを代表するキノコ類に“うつ病性障害”に有効な成分が存在する」ことを示唆する貴重な症例と考え、ここに提示する。
 “うつ病性障害”の病態像の変遷は“うつ病性障害”を引き起こすウイルスの変遷ではないかと推測する。    

【key words】depressive disorders, virus, mushroom, grifola frondosa, chronic fatigue syndrome

【はじめに】
 精神疾患において少なくとも“統合失調症”“双極性障害”に於いては家系内集積性を示す1,8)。そして“気分障害”に於いて“双極性障害”では高い家系内集積を示すが、“単極性うつ病”に関しては低い家系内集積しか示さない1,8)。
 近年、臨床現場に於いて“単極性うつ病”の多発、特に青壮年への多発に気付いているのは筆者のみではないと推測する。これは長引く不況が影響していると推察するが、何かのウイルスの蔓延によるのではないかと筆者は推測している。少なくとも最近多発している“単極性うつ病”は筆者の研究上、家系内集積を認めない。

【症例】39歳、男性。未婚。
頭部CT:特記すべき所見なし
神経学的:特記すべき所見なし
脳波:特記すべき所見なし
免疫学的所見:ヒト免疫不全ウイルス抗体価は基準値以下
       単純ヘルペス1型抗体陽性
単純ヘルペス2型抗体陰性
帯状ヘルペス抗体陰性
T・B細胞100分率:T細胞84%(基準値;66~89%)
B細胞 8%(基準値; 4~13%)
生化学的所見:フェリチン精密 44 ng/dl(基準値;24~286)
       β-2 microglobline 1.5 ng/dl(基準値;1.0~1.9)
(生育歴)正常分娩にて出生。幼少時より内向的傾向有るも、小学生時代より、成績優秀であり、性格も穏和であり、人気者であった。高校3年次に社会恐怖を発症し、大学受験に失敗する。一浪後、現役の時に軽く入れた大学に不本意ながら入学。それ故もあり、大学の授業へあまり出席せず。4年間で卒業できるところを8年懸かって卒業する。
(家族歴)特記すべきことなし。
(性格)真面目。努力家。勤勉。勤勉より努力家の�福ェ強い。根暗なところがややあり。凝り性。素直。趣味はパソコン。物事を非常に真っ直ぐに考える傾向がある。真面目さ・優しさ・素直さが目立ち、性格の障害はほとんど感じられない。
(既往歴)高校3年(18歳)時、社会恐怖を発症。22歳時、精神科受診。以来、bromazepam を主とした抗不安薬を継続服用。
(現病歴)平成11年5月18日本院初診。22歳時より社会恐怖に対し抗不安薬を投与されてきたこと、今まで幾つかの精神科の病院や医院を受診してきたこと、様々な抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬を試験的に服用してきたことを述べる。bromazepam 20mg/日 の投与にて治療開始。症例はインターネットより日本で近い内に使用開始になる fluvoxamine が社会恐怖に効果があることを知る。5月30日来院時、実際は抑うつ気分は無いが、筆者に抑うつ気分を訴え fluvoxamine の投与を希望する。
 平成11年5月30日よりfluvoxamine の追加投与を開始。その頃より激しい倦怠感を自覚し始める。fluvoxamine の服用量を減量した翌日は倦怠感が多少軽い故に fluvoxamine の副作用が考えられた。しかし、職場の人間関係に悩み抜いていたこと、fluvoxamine の服用量を減量しても倦怠感の軽減は僅かであること、肝機能障害は僅かしか存在しないこと、それらより“うつ病性障害”発症による倦怠感も考えられた。
 症例は fluvoxamine の副作用の可能性を考えながらも社会恐怖で非常に悩み苦しんでいた故、筆者にその激しい倦怠感を隠し続け、社会恐怖を治したい一心で fluvoxamine 150mg/日 の服用を続ける。症例は肝機能障害には動物性蛋白が必要と考え、毎晩ステーキを大量に食するなどにより、2ヶ月間ほどで体重が65kgから86kgにまで増加した。
  fluvoxamine の服用を3ヶ月間続ける。 社会恐怖に対する効果は判然とせず。 倦怠感も不変。fluvoxamine 中止後、平成11年8月より筆者には内緒にインターネットより fluoxetine を個人輸入し、その服用を行う。 しかしこれにても社会恐怖は軽症化の傾向を見せず。倦怠感もほぼ不変。更にsertraline およびparoxetine をインターネットより個人輸入し、その服用を行う。これにても社会恐怖は軽症化の傾向を見せず。また倦怠感も不変。
 社長は症例に対し特別扱い状態であり、症例は出社すると自室のベットにて臥床するという毎日を繰り返していた。外国からの客の来たときのみベットより起き出しネクタイを締め、その外国人客の応対をするという毎日を行っていた。他の部署に症例が顔を出すと厄介者扱いされる状態であった。外部からの外国人客が来たときのみ応対をしてくれれば良いという社長の方針のため会社を休むことを社長は許さなかったが、そのように仕事は非常に楽であった。
 また、激しい疲労感のため、通訳の仕事に於いて、および書類作成に於いて、ミスが重なる。
 抑うつ気分、希死念慮、罪業観念、物事への興味の減弱など、“うつ病性障害”に相当するものは存在せず、激しい倦怠感が存在しているのみであった。微熱は存在せず、慢性疲労症候群の診断基準は満たさないことを症例自身も理解していた。症例は盛んにインターネットより慢性疲労症候群およびそれに類する文献を多量に読破し、少なくとも慢性疲労症候群およびそれに関連するものに関する知識は極めて豊富であった。
 休日はほとんど臥床状態で(週休2日あるいは週休1日が交互という状態であった)あった。
 症例の肝機能は fluvoxamine を服用していた最初の2カ月半、GOT,GPT などが僅かに正常値を超えていたのみで、その後は肝機能値も正常範囲内であり、肝臓から来る倦怠感感は考えられなかった。また、その他の検査結果も正常範囲内であった。
 平成12年7月、症例は強い倦怠感を克服するため、スーパーよりキノコの1種であるマイタケを買い、それを水炊きし食する。(その量は1パック130円を3パックで比較的大量であった。夜食の半分以上はそれで賄われた。)そのマイタケの大量摂取を2晩続ける。1晩目は劇的に、2晩目もかなり倦怠感が軽快する効果を症例は自覚した。しかし3回目以降は倦怠感の軽減の自覚は減少した。しかしマイタケを水煮して食すると翌日の倦怠感が軽減するのを自覚する故に、夜食はマイタケの大量摂取をできる限り行ない続けた。しかし次第にマイタケを食しても翌日の倦怠感が軽減しなくなるのを自覚し始める。
 次にシイタケを食する。初日こそ比較的強い効果を覚えたがマイタケと同じように次第に効果は弱くなってゆく。次にシメジを食する。やはり初日はかなり強い効果を覚えたが次第に効果は弱くなってゆく。次にエノキダケを食する。エノキダケはマイタケとほぼ同じ程度の強い効力があることを知る。しかしエノキダケは簡単な調理法である水煮では美味でなく、一人暮らしである症例は水煮で美味であるマイタケを好んで食し、エノキダケはあまり食しないかった。
 その後、この4種類のキノコ類を交互に食することを行い、症例は次のように結論した。
 マイタケ・エノキダケが最も効力が強く、次にシメジ、最も効果が弱かったのがシイタケであった。シメジの効力はマイタケ・エノキダケの80%ほど、シイタケの効力はマイタケの40%ほどと症例は結論した。また、マイタケのみ連日食するより、マイタケ・エノキダケ・シメジ・他のキノコ類を交代させながら食する方法が効果が強い、そしてこれは各々のキノコ類の有効成分される多糖類が各々微妙に異なるためと推測される、と症例は結論した。
 症例は社会恐怖の治癒を願いSSRIに代わり平成12年6月より服用していたmoclobemide を平成12年10月、服用中止する。同時にキノコ類の大量摂取も、倦怠感の軽快、社会恐怖に無効であること、水煮を行うことの億劫さ、それらの理由で中止する。
 平成12年12月中旬、抑うつ気分、希死念慮、罪業観念、物事への興味の減弱など、“うつ病性障害”の診断基準に相当するものを自覚。moclobemideの服用を再開する。しかし、キノコ類の大量摂取は、社会恐怖に効果がないこと、水煮を行うことが億劫であること、数回実施して以前経験した強い効果が感じられなかったこと、それらの理由で数回実施するのみでほとんど行わず。
 平成13年1月、正月休暇で故郷に帰省したときの帰り、自動車事故を起こす。症例は真面目な性格である故、自動車運転に於いて安全運転であり、毎日のように自動車の運転を行っていたが少なくとも10年間無事故であった。
 この頃より朝の起床困難は更に強くなる。ほぼ毎日の遅刻は30分程度であったのが1時間程度と強くなる。しかし毎夜、午前3時頃までインターネットなどを行うことは不変であった。午前3時就寝のための朝の起床困難とも思われたが、早く就寝しても朝の起床困難は不変であることを繰り返す。そのため症例は今も毎日午前3時までインターネットなどを行っている。そして毎日1時間の遅刻も不変である。
 症例は“うつ状態”が強くなると腕立て伏せが僅かしかできなくなり、“うつ状態”が軽いときは腕立て伏せが良くできると言う。
 また、抗うつ薬を眠前に服用した翌朝は起床が比較的困難でなく、抗うつ薬を服用しない翌朝は起床が極めて困難であることを繰り返し経験している。しかし症例は抗うつ薬を服用すると倦怠感が惹起されるため、抗うつ薬の服用を好まない。 

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 fluvoxamine;平成11年5月30日より服用開始。平成11年8月、服用中止。

 仕事上の信じられないようなミスは平成11年5月下旬頃より始まっている。

 fluoxetine;平成11年8月より服用開始。 平成12年6月�棊p中止。

 sertraline;平成11年11月より服用開始。 平成12年6月服用中止。

 paroxetine;平成12年3月より服用開始。 平成12年6月服用中止。

 (これらSSRIは併用して服用していたことが多かった。その量は比較的大量であった。)

 RIMA(Reversible Inhibitors of Monoamine oxitase type A)であるmoclobemide ;平成12年6月よりSSRIを一気に中止し、その代用として服用開始。その服用量は比較的大量であった。倦怠感は不変か、やや軽快を示す。

 平成12年7月初旬よりキノコ類(特にマイタケ)の大量摂取開始。倦怠感は急激に軽快を示す。しかし軽快のみであり、朝の起床困難は続く。

 平成12年12月中旬、希死念慮、悲哀感を自覚し“うつ状態”に有ることを自覚する。朝の起床困難は更に強くなる。

 平成13年1月、自動車事故を起こす。

 平成13年2月、再び自動車事故を起こす。

【考察】
 “うつ病性障害”は精神的また肉体的疲弊を基盤としてよく起こることが知られている2,3,13)。この症例の“うつ病性障害”発症には職場の人間関係不良という精神的疲弊があった。また週末も休みを取らずに大学で研究を行ない、週日は夜遅くまでインターネットや書籍で研究を行う、という肉体的疲弊があった。
 症例はfluvoxamine による倦怠感を疑いながらも社会恐怖を治したい一心でfluvoxamine 150mg/日 の服用を3ヶ月間行った。そしてインターネットより抗うつ薬が個人輸入できることを知ると fluoxetine、sertraline、paroxetine などを輸入し、これも社会恐怖を治したい一心で、その比較的大量服用を行う。しかし症例の社会恐怖は軽快せず。
 症例は自身の対人恐怖のため精神医学および一般医学に関する書籍類を大学時代より多量に読破しており、自身は“うつ病性障害”ではなく“定義の異なる慢性疲労症候群”であると主張し、上記の検査を執拗に求める。検査する必要性は乏しいことを説明するも聞き入れず、上記の検査を行った。
 症例には倦怠感を早く治し、大学での研究を再開したい、このままでは落伍してしまう、という焦燥が強く存在していた。
 症例は一民間企業に通訳のような存在として勤務していることに強い不満を持っており、論文を書き、大学教授に成るという野心を持っていた。また症例の性格特性として「頑固。執着性。」というものが存在する。
 症例は顔面神経麻痺・帯状疱疹を代表するヘルペス属ウイルス感染症が非常に多い地方である九州北部の糸島地方19)に4年前、転勤してきた。転勤2年後の“うつ病性障害”発症であった。ヘルペス属ウイルスは神経親和性ウイルスとして有名である。ヘルペス属ウイルスは神経細胞内に潜伏感染し、ストレスなどにより個体の免疫能が低下したときに増殖し、疾病を起こす9~12)。症例にこの地方にヘルペス感染症が極めて多いことを伝えると、症例は自身がヘルペス属ウイルス感染を起こし、それによりこの倦怠感が来ているのではないか、と考えるようになったらしい。症例はヘルペス属ウイルス感染症についてもインターネットで詳しく勉強する。
 キノコ類に免疫力増強作用が存在することは文献的にも知られている9~12)。症例の倦怠感は症例のキノコ類の大量摂取が行ったり行わなかったりと徹底してなく、大量摂取を行ったときは軽症化し、大量摂取を行わなかったときは重篤化するという一進一退を続けた。
 症例自身が“うつ病性障害”であることを自覚した12月、以前奏功していたキノコ類の大量摂取を再開したが、このときは効果をあまり感じることができず、数回行ったのみで中止した。“うつ病性障害”の重篤化故に男性には面倒なその調理を行う気力が湧かなかったことが関係したとも考えられる。しかし「重篤化した12月には僅かしか効果を感じなかったために数回行ったのみで中止した。」と症例は述べる。ウイルスの神経細胞への感染が重篤化し、キノコ類の大量摂取による免疫力の強化では効果を及ぼすことが困難になったためと考えることができる。
 この症例では、ウイルス感染による身体疲弊が引き金となり“うつ病性障害”発症へと導いたと考えることもできる。

【最後に】
 キノコ類の大量摂取が社会恐怖には効果が無かったことは社会恐怖はウイルス感染ではないことを示唆していると考えるより、症例の社会恐怖が高校3年時からのものであり、既に罹患歴21年に達しており、平成12年7月の時点に於いて罹患歴1年2ヶ月であった“うつ病性障害”とは比較できないほど慢性化していることを考えるべきである。
 そして平成12年12月の“うつ病性障害”の悪化時、キノコ類の大量摂取が僅かしか“うつ病性障害”に効果が無かったことも考え併せると、社会恐怖もまたウイルス感染である可能性を否定できない。ストレス過剰状態に置かれたとき、免疫力が低下し、ある領域の中枢神経細胞内に潜伏感染していたウイルスが増殖し、その領域の神経細胞が過敏状態となり、そして社会恐怖が発症したと考えることもできる。


【文献】
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:A case of high dose intake of mushrooms effected depressive disorders

http://homepage2.nifty.com/mmm23232/2975.html