キノコ類大量摂取が奏功する「うつ病性障害」の1例 | gcc01474のブログ

gcc01474のブログ

ブログの説明を入力します。

【症例報告】
   キノコ類大量摂取が奏功する「うつ病性障害」の1例



【抄録】
 キノコ類大量摂取が「うつ病性障害」に奏功する症例を経験した。
 症例は自身の病気を慢性疲労症候群と自己診断しながらも,7つの精神科・心療内科から「うつ病性障害」と診断された。そして筆者の下へ来院。慢性疲労症候群(疑)と診断名を症例に告げる。そして慢性疲労症候群(疑)の治療法は「うつ病性障害」の治療法と同じであることを告げ、抗うつ薬による治療を行ったが無効であった。
 筆者は1年前、「うつ病性障害」にキノコ類大量摂取が奏功した経験を持っていた。故に、抗うつ薬服用をこれ以上望まない症例へウイルス感染に効果の有るキノコ類大量摂取を詳細に示唆し,そしてそれが奏功した。
『「うつ病性障害」はウイルス感染である』あるいは『キノコ類に「うつ病性障害」に有効な成分が存在する』ことを示唆する貴重な症例と考え,ここに提示する。

【key words】depressive disorders, virus, mushroom, chronic fatigue syndrome

【はじめに】
 精神疾患において少なくとも「統合失調症」「双極性障害」に於いては家系内集積性を示す1,8)。そして「気分障害」に於いて「双極性障害」では高い家系内集積を示すが,「単極性うつ病」に関しては低い家系内集積しか示さない1,8)。
 近年,臨床現場に於いて「単極性うつ病」の多発,特に青壮年への多発に気付いているのは筆者のみではないと推測する。これは長引く不況が影響していると推察するが,何かのウイルスの蔓延による可能性は否定できないと筆者は推測している。少なくとも最近多発している「単極性うつ病」は筆者の研究上,家系内集積を認めない。

【症例】23歳,男性。
頭部CT:特記すべき所見なし。
神経学的:特記すべき所見なし。
脳波:特記すべき所見なし。
免疫学的:ヒト免疫不全ウイルス抗体価は基準値以下。
     単純ヘルペス1型抗体陽性
単純ヘルペス2型抗体陰性
帯状ヘルペス抗体陰性
(生育歴)正常分娩にて出生。小学生時代より剣道を習い,剣道の選手として小学生時代より活躍。中学・高校と剣道の選手として将来を期待される。大学へは剣道の特待生として入学。
(家族歴)特記すべきことなし。
(性格)真面目。努力家。頑固。
(既往歴)特記すべきことなし。
(現病歴)大学3年時、激しい倦怠感を自覚。剣道の練習を行うことが不可能となる。大学病院内科受診。異常所見無し、と言われ同大学病院精神科を紹介受診。うつ病と言われ、抗うつ薬の投与を受ける。
 大学は剣道の先生・先輩および同級生の配慮があり留年せずに卒業し、H港の貿易会社に入社(平成12年4月)。心療内科・精神科のみでなく、鍼、整体にも通い、朝の起床困難・午前中に強い倦怠感有るも、それを同僚や上司に隠し続け、仕事は週に1回ほどの遅刻のみで過ごす。
 平成13年5月本院初診。社会人になって5カ所目の心療内科・精神科受診だと言う。希死念慮、抑うつ気分、物事への興味の減弱、思考速度の遅延、罪悪観念、早朝覚醒、中途覚醒、熟眠障害、食欲不振、性欲の減退、そういうものが無く、有るのは強い倦怠感のみである故に、自分はうつ病ではなく、慢性疲労症候群であると主張する。症例の声・表情には「うつ病性障害」を示唆するものは全く見受けられなかった。
「慢性疲労症候群(疑)」と診断名を告げ、しかし投薬するのは同じく抗うつ薬であると告げるが症例は「今まで、うつ病、うつ病と診断され続けてきましたが、始めて理解して貰えました」と非常に喜ぶ。
  paroxetine とamoxapine を主体とした投薬を3ヶ月間続ける。しかし朝の起床困難・午前中に強い倦怠感は軽快傾向を見せず。
 平成14年8月より milnacipran を主体とした投薬を2ヶ月間続ける。これにても症状は軽快傾向を見せず。そして症例は自分は慢性疲労症候群というウイルス感染であって「うつ病性障害」ではない故にこれ以上、抗うつ薬を服用しても同じであると強く主張する。筆者は症例にキノコ類大量摂取を詳細に示唆する。
 平成14年10月、症例はスーパーよりキノコの1種であるマイタケを買い,それを水炊きし食する。(その量は1パック130円を3パックで比較的大量であった。夜食の半分以上はそれで賄われた。)そのマイタケの大量摂取を2晩続ける。1晩目は劇的に,2晩目も強く倦怠感が軽快する効果を症例は自覚した。しかし3回目以降は倦怠感軽減の自覚は減少した。しかしマイタケを水煮して食すると翌日の倦怠感が軽減するのを自覚する故に,夜食はマイタケの大量摂取をできる限り行ない続けた。しかし次第にマイタケを食しても翌日の倦怠感が軽減しなくなるのを自覚し始める。
 次にシイタケを食する。初日こそ比較的強い効果を覚えたがマイタケと同じように次第に効果は弱くなってゆく。次にシメジを食する。初日はかなり強い効果を覚えたが次第に効果は弱くなってゆく。次にエノキダケを食する。エノキダケはマイタケとほぼ同じ程度の強い効力があることを知る。しかしエノキダケは簡単な調理法である水煮では美味でなく,一人暮らしである症例は水煮で美味であるマイタケを好んで食し,エノキダケはあまり食しなかった。
 その後,この4種類のキノコ類を交互に食することを行い,症例は次のように結論した。
「マイタケ・エノキダケが最も効力が強く,次にシメジ,最も効果が弱いのがシイタケである。マイタケ・エノキダケに比べてシメジの効力は80%ほど,シイタケの効力は40%ほどである。また,一種類のキノコ類のみ連日食するより,他のキノコ類と交代させながら食する方が効果が強い」と症例は結論した。
 抗うつ薬を断ち、キノコ類大量摂取を始めて5ヶ月が経過するが、症例は「キノコ類大量摂取を怠って5日ほどすると朝の起床困難・午前中の強い倦怠感が再来するが、夜食にキノコ類大量摂取を行えば翌日には倦怠感は消え去る」と言う。

【考察】
 症例は精神疾患に対し偏狭な考えを持っており「うつ病性障害」と診断されることに強い嫌悪感と反発心を抱いていた。また、それ故に脳神経外科を表看板にしている本院へ頭部CTを希望しての受診と思われた。
 症例には「朝の起床困難」が有り、症状はこれのみであった。夜は元気であり、ジョギングを行い、その後にインターネットを夜遅くまで行うという日内変動が存在していた。これは発病時からであると言う。
 「うつ病性障害」は精神的また肉体的疲弊を基盤として発症することが知られている2,3,13)。この症例の「うつ病性障害」発症には過酷な剣道の練習に耐えているにも拘わらず、剣道の素質が優秀な下級生に追い抜かれるという精神的圧力があった。
 キノコ類に免疫力増強作用が存在することは文献的にも知られている9~12)。症例はキノコ類大量摂取を行い「一種類のキノコ類のみ連日食するより、他のキノコ類と交代させながら食する方が効果が強い」と述べるが、これは各々のキノコ類の有効成分される多糖類が各々微妙に異なるためと推測される。 
 ストレス過剰状態に置かれたとき,免疫力が低下し,ある領域の中枢神経細胞内に潜伏感染していたウイルスが増殖し,その領域の神経細胞が過敏状態となり,そして「うつ病性障害」が発症すると考えることができる。
 神経細胞に潜伏感染し個体の免疫力が弱まったときに増殖するウイルスとしてまずヘルペスウイルスが上げられる。ヘルペス属ウイルスは神経親和性ウイルスとして有名である。ヘルペス属ウイルスは神経細胞内に潜伏感染し,ストレスなどにより個体の免疫能が低下したときに増殖し,疾病を起こす15,16)。
 また、この症例では,ウイルス感染による身体疲弊が引き金となり「うつ病性障害」発症へと導かれた,と考えることもできる。心と身体は相関する故である。「身体が疲弊すると心も疲弊する」「心が疲弊すると身体も疲弊する」。これは色心不二として仏典に説かれている17)。
 大学3年時、剣道の素質が優秀な下級生に追い抜かれるという精神的圧力により心が疲弊し、それにより身体疲弊も増悪したと推定できる。また身体の疲弊が更に心の疲弊を引き起こした。そういう悪循環が形成され、この症例の「うつ病性障害」が発症したと考えることができる。


          心
         ��
         身体



【最後に】
 筆者は、患者自身が自らの判断でキノコ類大量摂取を行い「うつ病性障害」に大きな効果があった症例を1年ほど前、経験していた。それ故の今回のキノコ類大量摂取の示唆であった。それは別稿を持って報告する予定である。
 なお、この症例のキノコ類大量摂取の結果(良く効くキノコ類の順序および効能の現れ方)はこの療法を示した1年前の経験とほぼ同じであった。


【文献】
1)赤穂理絵,佐々木司:気分障害の遺伝,最新精神医学 11:324-329, 1999
2)Anisman H:Vulnerability to depression: Contribution of stress.Neurology of mood disorders Vol 1,Williams & Wilkins,Baltimore,1984
3)Chrousos G P, Gold P W:The concepts of stress and stress system disorders: Overview of physical and behavioral homeostasis.JAMA 267:1244, 1992
4)Deresiewicz R L, Thaler S J, Hsu L et al:Clinical and neuroradiographic manifestations of eastern equine encephalitis.N Engl J Med:1867-1869, 1997
5)Dunn V, Bale J F, Zimmerman R A:MRI in children with postinfectious disseminated encephalomyelitis.Magn Reson Imaging 25:110-114, 1986
6)Johnson R T:The pathogeneses of acute viral encephalitis and post-infectious encephalitis.J Infect Dis 19:359-363, 1987
7)McCullers J A, Lakeman F D, Whitley R J:Human herpes-virus 6 is associated with focal encephalitis.Clin Infect Dis 18:571-573, 1995
8)Merikangas K R, Kupfer D J:Mood disorders, generic aspect.Comprehensive Textbook of Psychiatry-�,Williams &Wilkins,Baltimore,1995
9)Mizuno T:Special issue on mushrooms. bioactive substances and medical utilization.Food Rev 11(1):1-7, 1995
10)Mizuno T:Special issue on mushrooms. breeding and cultivation.Food Rev 13(3):327-331, 1997
11)Mizuno T:The extraction and development of anti-tumor-active polysaccharides from medical mushroom in japan. J of Med Mushrooms 1(1):9-11, 1998
12)Mizuno T:Bioactive substances in yamabushitake, and its medical utilization.J of Med Mushrooms 2(3):105, 1999
13)Negrao A B, Gold P W:Major depressive disorder.Encyclopedia of stress Vol 2,Academic Press,San Diego,2000
14)小田垣雄二:塩酸amantadine 投与により劇的な改善を示した難治性うつ病の1症例,臨床精神医学 11:468-471, 1999
15)Richard T Jhonson:神経系のウイルス感染症,植木幸明訳,金沢光男監訳,西村書店,東京,1988                 
16)Robert H A:Enteroviral infections of the central nervous system.Clin Infect Dis 91:971-973, 1998
17) 創価学会青年部編:日蓮大聖人御書全集、聖教新聞社、東京、1978


-----------------------------------------------------------------
gcc01471@nifty.com:A Case of High Dose Intake of Mushrooms Effected Depressive Disorders


http://homepage2.nifty.com/mmm23232/2975.html



 近年、“うつ病性障害”は急速に増加している。一種の社会現象とも言えよう。いつ終わるか知れない不況、現在の会社を退職すると再就職口がなかなか見つからないため、どんなに身体が疲労感に満ちても無理して会社に出勤しなければならない。
 そして、“うつ病性障害”は真面目で心優しい人に好発する。