羅列
長女の話
金曜の夜、仕事を終えて家に帰ると
リビングの机の上でプリンターやキラキラしたシール、下書きのためのものか文字が書かれたコピー用紙などを広げて作業している長女。
土曜日にお気に入りのK-POPアイドルのコンサートがあるため、推しの名前(韓国語なので読めない)らしきものを書いてうちわに貼る作業をしているのである。
「間に合わない、間に合わない」
言葉の内容とは裏腹に切羽詰まってないようなその物言いは、手伝って欲しいという意思表示。
それにのってみる
「何?うちわ作ってるの?」
「それもあるけど、バイトのシフトの提出が今日までなの」
二つの作業が重なっているようで、同時進行しているもののあることで手間取っている
あることとは、シフトの提出方法である。
シフトの提出には、専用の用紙に記入あるいはネットの専用ページへの書き込みとあるらしい
今日が期限なこともあるためネットでの申請を行うのだが、ログインするための四桁のパスワードがわからないとのこと
正確に言うと四桁の数字は分かっているが並びが分からないらしい
「並びを覚えてないって、四桁なら並びで覚えた方が良くない?」
と言ってみるものの
「一回くらいしかログインしてないけど、なんとなく数字は覚えてるの」
「うちわも作らなきゃだから、四桁の数字を片っ端からためしてみてくれない?」
それを頼みたかったのね
めんどくさいと思いつつ、ログインページから数字を打ち込む
四桁の数字なので32回打てば全通りかな?
まぁそんなに途方もない数ではないので、黙々と作業を進める私。
横ではうちわ作業の長女。
しかし、30回くらい行ってもログイン出来ず
これは怪しい…
「数字、間違えてない」
ポツリと聞いてみる
「多分大丈夫…だと思う…」
自信がなくなる長女
そして32回全通り打ち込んでみたもののログイン出来ず。
ログイン出来ないことを長女に伝えると
「マジか…数字なんだったけなー?」
考えているようだが、もう最初の四桁以外の数字は出て来ない。
「もう諦めて、明日ライブ行く前にバイト先に行ってシフト出してくるわ」
1日過ぎてしまうが、とりあえずそれで問題ないようなのでほっと胸を撫で下ろす。
これで私の役目は終わりである
と思ったのも束の間、今度はうちわ作りの手伝いを頼まれるのであった。
ライブ、楽しめるといいね。