一昨晩のNHKスペシャル番組「未解決事件・・グリコ森永事件」。

結局、警察のテリトリー意識、メディアの競争意識・・結局、足並みが揃わなかった事件の背景をアングルとして捉えていた。

当時、日本を騒がせたのは、この事件とロス疑惑事件である。

ロス疑惑事件の主犯は、善人にみせかけた悪人の所業だったが・・。

かいじん21面相は、誘拐やら青酸カリをばら撒いたり悪党一味でありながら、殺人を犯してもいない・・だが、社会不安を募らせる脅迫めいた挑戦状メッセージを多く残して・・そして、消えた。

1984年11月14日・・最期の大捕り物の舞台が滋賀県大津サービスエリア(上り)内。

キツネ目の男が、公衆電話ボックスに居た。

(余談だが、あの大津サービスエリア(上り)の公衆電話は、高倉健さんが映画「南極物語」の出演を応じるために連絡使用した)

滋賀県警が、越権行為ともとられるような隠密捜査。

だが、大阪府警にも気付かれぬように動いていたならば、キツネ目の男が逃げるであろうルート・・つまり、何故、大津SAから階段を使って一般道に下りるスポットにも捜査員を配置していたと考えるのが妥当な推測だが・・?

ホントウは、滋賀県警は、そのままキツネ目の男を追跡をしていたのではないか?

また、草津出口手前2KMの名神高速道下の一般道に待っていた不審車に職質をして逃げられたこと・・その職質をしたパトカーは、その大捕り物が進行中だとは全く知らされていなかったこと。

ホントウだろうか?

犯人(かいじん21面相)一味を取り逃がした一部のミス(勇み足)が、どこかにあったような気がするのである。

何故ならば、大阪府警の刑事は、大津サービスエリアで、キツネ目の男を隠しカメラで何枚もの写真を撮っているはずである。

人物を割り出す決定的な証拠も掴んでいるのである。

その後、警察内での捜査方針、責任範疇に何らかの紆余曲折の問題が生じたのかもしれない。

1985年8月7日・・当時の滋賀県警本部長は、その責任を取り自殺をされたが、悲しい事件である。合掌。

ある知識人が、日本が未だに閉塞感を引きずっているのは、「グリコ森永事件」の未解決が要因のひとつだとも言っていたが・・何となく判るような気もする。

「すみません。で済めば、警察はいらん」とは、祖母も言ってたが、昔からの日本社会の気質ではない。

1985年8月12日・・かい人21面相側から「くいもんの 会社 いびるの もお やめや…悪党人生 おもろいで」と終息宣言が届く。

同年同日夕方・・日航JAL123便が御巣鷹山に墜落した日でもある。

かい人21面相が、全く消えた日である。

黒でも、白でもなく、限りなく灰色の魂に染まる。

以後、日本社会の気質に変化があったのは確かである。

だから、時々、月光仮面やら伊達直人やら・・七色仮面の虹が輝く。