ずっと昔、まだ独身で異国で暮らしていた頃、日本に暮す母に宛てた手紙を見つけて、読むことが出来ました。

あの頃、自分のことばかり考えていたことが気恥ずかしいような気もします。
安否を気遣う母がいなければ、どこかのエージェントに雇われて、某国のスパイになっていたかもしれない若い頃の自分です。

今に思えば、母に感謝しています。
子を想う母というものは、偉大です。

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拝啓、母上様

ご安心してください。

FAXも書類も届きました。

ところで、お母さんの手紙は、励ましの便りではなくて、いつもいつも心が萎縮してしまうことばかりです。

足を引っ張らないで、もう少し手を引っ張るような事を書いてください。

あのね・・ぼくは、「畳の上で死にたい」とか、そういう発想を持っていないし、もしも、とても満足ゆく一日ならば、明日死んでも構わない気持ちで生きています。

50年も60年もダラダラ生きるよりも、たとえ明日、飛行機事故に遭って、ぼくの人生が終わったとしても、全然構いません。

よく言うでしょう。
百年ダラダラ生きるよりも、一週間を死に物狂いで生きた方が価値がある・・と。

「危ないから、あちらこちら知らない所には、あまり行かないように」とか言うのは世間知らずの娘に言うことであって、決して息子には言うべきことではないです。

逆に「いろんな世界を見てこい」と言うのが、両親としての責任ある言葉でしょう。

何の為に、子供をこしらえたのですか?

お母さん自身、本当に自分の言葉に責任を持つならば、お母さん自身の人生に対しても責任を持つことです。

自分自身の人生に不平不満が出るはずがないと思うのですが・・。

さて、明日、デンマーク経由、レバノン、シリアに旅立ちます。

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あれから、20年以上の歳月が流れましたが、結婚をして子供も出来て、自分が父親になっても・・いつまでも母親は、母親です。

大根、柿、キャベツ等々・・送ってくれてありがとう。

母親という存在は、凄いと思います。感謝。

母が、近い将来必要となる介護生活は、小生が引き受けるつもりです。


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あなたは、親孝行していますか?