この頃の産経新聞のコラム欄「産経抄」を読んでいると、朝日新聞の「天声人語」を読んでいるのかという錯覚に襲われる。
それほど、昨今の両紙の思考視点基準の段差境界差異が縮んでいると考えるのは・・
小生だけだとは思えない。
取材原稿(日本語)もビジネス英語の文章もそうであるが、短く正確にシンプルに書くのがベストだと・・若い頃から教わった。
それと似た現代の感覚が、携帯電話によるメール文章かもしれない。
ほとんど使わない携帯電話でのメールであるが、もし、30年昔いや20年昔に、携帯電話やインターネットが今の時代のように一般に普及していたならば・・多くの人間の人生が大幅に変わっていたのかもしれない。
文章で伝えるエネルギーは、短い長い、単純さ複雑さ・・質量の問題なのである。
昔は、よく手紙や葉書を書いた。
その同じ文章量を、携帯電話でのメールに書くとすると、おそらく受け取った本人は、嫌気を覚えるのではないだろうか・・という心配がある。
同じく携帯電話でのメールは、会話答弁という形で何度も往復しながらメッセージが伝わる思考回路になるのではないか、これでは直ちに返信がないと不満足な気持ちになるはずである。
それでも、携帯電話のメールは、便利であり、シンプルなのである。
ただ、便利かつシンプルさは、確かな不満を生み出すのである。
手紙や葉書を書いていた時代は、届かぬメッセージは、確かな不安だった。
不安と不満の垣根は、精神と肉体の関係に似ている。
思考が、シンプルになるほど欲望のままに太る。
かと言って、思考回路が複雑になるにつれて神経が痩せ細るのである。
携帯思考の画一化が、新聞のコラムの内容にも如実に表れているような気もする昨今である。
Simple is Best・・とは、ものごとに単純に向き合えという意味なのであろうと解釈します。
今、外もだんだんと明るくなり、夜明けの状態です。
もうすぐ陽が昇り、今日一日が始まります。
よいことがたくさんある一日でありますように。