アメリカとフランスとドイツからメールが届いた。


1885年生まれのドイツ人、テンニース(テニエス)は、社会が進行するとゲマインシャフト(共同社会)からゲゼルシャフト(利益社会)に形状をかえると説いて久しいが、日本において、戦前まで生きていた「村社会」が、まさにゲマインシャフトだった。


第二次大戦後半世紀、農村とともに「村社会」は衰退の一途をたどり、農民の子供達は、都会へと大移動し、サラリーマンと姿を変えていった。


一見、アメリカナイズされたゲゼルの到来かと思えたが、どっこい会社組織の中に「村社会」が内包されていて、日本特有のゲゼル・ゲマイン折衷の社会様式を醸し出したのである。


エコノミックアニマルと揶揄されるほど、経済効果をあげることが出来たのも、会社の仕事を、あたかも自分の家業のように思う事が出来たからであった。
いわば、会社は、第二の家族。
いや、なかには家族よりも優先した企業戦士さえ出没した。


それがどうでしょう。


バブル崩壊後、会社の中の「村社会」が葬り去られた。

リストラの嵐のもと、正社員の首は、安価な契約社員やパート、フリーターにすげかえられていった。

このままフリーターの社会構造が進めば、日本の職場から熟練者が少なくなり、マニュアルロボットの素人社会に変貌してしまう。


明らかにマイナスである。


ドイツのマイスターのような、名人芸にまで至るような洗練された技術は、是非とも継続させねばいけない。


考えるに、最近の日本は、政治、経済のみならず、治安も軍備も節操なく仕入れているようである。


以前は、諸国の良いとこだけを取捨選別していたにもかかわらず、水際のフィルターが機能不能のようである。