人間、正直に情熱的に生きるというのは、ときめいて美しいものです。

しかし、それが人間の煩悩というものになると、家庭内の規律の中では、諸悪の根源となってゆくのでしょう。


家族愛というものは、両思いの世界です。

恋愛というのは、とりわけ不倫となれば、怏々として片思いの世界の部分があります。


家内も息子も・・そわそわする父親を観察しながら妙な接し方になります。

そこから、ぎこちない家庭になってゆき、壊れてゆく家庭の末路を想像するのでしょう。


何があっても壊れない家庭は、愛情に満ちた天然愛なのか、虚偽に満ちた家族愛の、きっとどちらかなのでしょう。


人を愛することは、素晴らしいことです。

ただ、それを独占しようという想いになる恋愛感覚になると、心がブレます。

正直な想いが、うしろめたい気持ちに変わります。


あの人は、髪の毛を短く切っていました。

ぼくは、背中を向けて遠い山並の風景を眺めていました。


息子に言い聞かせた「人生は、素晴らしいもの!」。

加えるならば、「人生は、山あり海あり空あり人あり」です。


うしろめたさ・・何かにしがみつきたくなるほどの生き方はしたくないものです。