この世には見えない鎖が沢山あります。

幸福とは、これらの束縛からの解放の瞬間に生じる感情といえるのではないのでしょうか。

その束縛が大きければ大きいほど、その開放感も比例して大きい筈であって、よって大きな幸福を得ようとすれば、大きな束縛を探しなければいけません。

夢とは形容をかえた束縛の代名詞であると考えます。

例えて言えば、高い山ほど達成感は大きいものです。

金メダルの期待が大きければ大きいほど、その達成感は、幸福感にイクオールになります。

幸福とは、けだし難しいもので、即、その姿を現す場合もあり、一定の時を経て振り返った時に、現れる場合もあります。

形はないが風船を膨らます空気のように、心をふくらます様でもあります。

七難八苦を吾に与えたまえよと「月に吼えた」山中鹿之助は、そのことをよく存じた御仁であったにちがいありません。