~徒然趣向~-GO

『GO/KREVA』

01. 基準
02. 挑め
03. KILA KILA
04. 蜃気楼 feat. 三浦大知
05. 呪文
06. runnin' runnin'
07. HOT SUMMER DAYS
08. 微炭酸シンドローム feat. 阿部真央
09. パーティーはIZUKO?
10. C'mon, Let's go
11. EGAO
12. 探究心


ランキングが上がるのが楽しくて割と頻繁に更新してましたが、やっぱり息切れっす。
そしてカルミン様から指摘を受けました。「止まったな」と。

ブランク明けのテーマが「KREVA」。ようさんヒットしそうという理由での選択ではありません。
CD屋さんで、買うか買うまいか迷いに迷って最終的に購入しました。

KREVA名義の曲ってリリースを追いかけてたのはいつ頃だったろうか。KICK THE CAN CREWが活動休止になって、そんなにスパンを置かずに出た(・・・と記憶してる)、2004年の『新人クレバ』と、続く『愛・自分博』くらいまでだったような。

大衆に迎合しすぎている印象が強かったんですよね。
多分、「今、自分がやりたいこと」にものすごく忠実な方なんだろうな、と想像できるんだけど、彼にぶら下がってる経歴(B-BOY PARK MCバトルの件)に対する期待が大きかったのかなぁ、って。
「ソロで何かやってくれるはず」って気持ちも強かったし、彼の歌として「頑張れ」みたいな応援歌よりは、攻撃的な詞が聴きたかったのかも。
それほど影響力を持ったアーティストであることは間違いなかったから。

そんなこんなで遠ざかっていたKREVAのソロ5枚目のアルバム『GO』。遠ざかっていたにも関わらず、購入したのは、たまたま観たテレビで歌っていた「基準」がかっこよすぎたからです。

某掲示板で見たのですが、「頑張れ、みたいなこと言ってて、急に前触れなく毒を吐く」ってのが、とても的を射た意見だと思うのです。何でこのタイミングなのかはKREVAのみぞ知るところですが、ポップアイコンとしての地位も確立した彼の言葉だからこそ、その毒性は増すような気がします。

様々なインタビューで語られている通り、今作は非常にラップに気を遣っているそうで、一通り聴けばそれも納得の内容です。客演している三浦大知、阿部真央の担当部分を除けば、確かにKREVAが歌う場面が極端に減っている印象があります。

ラップも、早口でまくし立てるような部分もあれば、噛み締めるような部分があったりと、緩急ついたスタイルでラップの面白さを感じさせてくれます。

トラック面に関しても、基本的にはシンセを多用した従来のKREVA作品の流れを踏襲していますが、「基準」ではロック調のトラックとなっており、攻撃的なその歌詞との相性が抜群です。
また興味深いのが、外部プロデューサーの採用。2曲だけと数は少ないですが、そのうちの1曲は「蜃気楼 feat. 三浦大知」で、"Major Music"とのクレジットがあります。
このMajor Musicとして"HirOshima"の名前があるのですが、HirOshimaって、SEEDAの次作でタッグ組んでる人ですよね?徐々に注目が集まってきているのが感じられますね。

今作、攻撃的な部分を称えたレビューみたいになってしまいましたが、そのほかの曲も粒ぞろい。

夏の情景や恋愛模様を描いた「蜃気楼」や「HOT SUMMER DAAYS」、「微炭酸シンドローム」などがその例で、客演の三浦大知や阿部真央も華を添えています。

6枚目のアルバムをリリースする頃には、きっと新しくやりたいことが出来ていて、今作とはまた違う力を持ったものが出来上がるんだろうけど、KREVA、また気になるアーティストになってしまいそうです。

安定感があるのに実験的。まさに彼の立ち位置だからこそ出来る芸当とも思えてきます。


◆基準


◆C'mon, Let's go


◆KILA KILA(後半『ハヒヘホ』)