~徒然趣向~-Planet Pit

『Planet Pit/Pitbull』

01. Mr. Worldwide feat. Vein
02. Give Me Everything feat. Ne-Yo, Afrojack, Nayer
03. Rain Over Me feat. Marc Anthony
04. Hey Baby (Drop It To The Floor) feat. T-Pain
05. Pause
06. Come N Go feat. Enrique Iglesias
07. Shake Senora feat. T-Pain, Sean Paul
08. International Love feat. Chris Brown
09. Castle Made Of Sand feat. Kelly Rowland, Jamie Drastik
10. Took My Love feat. Red Foo, Vein, David Rush
11. Where Do We Go feat. Jamie Foxx
12. Something For The DJs
13. Mr. Right Now feat. Akon
14. Shake Senora feat. T-Pain, Sean Paul, Ludacris
15. Oye Baby vs. Nicola Fasano
16. My Kinda Girl feat. Nelly
17. Alright feat. Machel Montano


台風が近づいてきてるそうですが、あんまり実感もないっすね。
関西に本格上陸なんて、今まで数回しかないもんね。

という訳で、今回はそんな台風も吹き飛ばしてくれそうな強力盤です。
日本語ラップがメインの本ブログですが、今回は洋楽。

とは言うものの、実は今日買ったばかりで、まだ1周しか聴けておりません。6月には発売されていたものの、CD屋に行くたびに買おうか買うまいかを迷い続けた結果、今日やっと購入に至った訳です。

Pitbullが紹介されるたびに用いられる「お祭り」というキーワードの通り、全編アガれる曲のオンパレード。前作『Rebelution』に収録されていた「I Know You Want Me」や「Hotel Room Service」は、クラブでもよくかかっていたり、色んなメディアで取り上げられていたりで耳にする機会は多かったのですが、基本的には、アルバム通して上記2曲のような雰囲気。

その2曲が好きだったにも関わらず、今作の購入をためらっていたのは、やっぱり「アルバム全体を通したらどうなるのか?」って不安から。
客演王としても取り沙汰されることが多く、「組めばヒットを生む」なんて言われる彼ですが、「アルバム中の数曲のパンチ力は凄まじく、また客演曲も確かにヒットする理由が分かる。それでも、彼名義の曲ばかりが詰まったアルバムは、全体でどのように響くのか?」という不安が払拭しきれませんでした。

結論から言うと、たまにはこういうのもアリかも、といった感じ。これは決して悪い意味ではなく。

最近(というか、結構前から)衰えることなく、どんどん幅を広げているエレクトロ・ヒップホップを踏襲した彼のスタイルは、耳に届くだけで一種の高揚感をもたらせてくれます。
実は、このエレクトロを敬遠していた節が自分の中にあるのですが、それは、自身が求めていたヒップホップの理想像(いわゆるアフロアメリカンなマッチョイズム)が感じがたい部分があったからであるように、今では思います。

彼自身、ルーツはキューバであるし、ある意味でそれを感じられないのは当然なのだけれども、いざ聴いてみるとあら不思議。何も考えないで聴けるというのは、聴かせる側の武器であるように思う訳です。そして僕はまともにその世界にはまった。

色々な黒い力が生み出し、成長させてきたヒップホップですが、ここまでグローバルな産物としての地位を確立した現在、多種多様なスタイルがあって然るべきであるし、「あれは・・・だから」などと批判的な目ばかりで捉えていてはもったいない気がします。
(ただ、確かなものを判断するという意味では、そのような目は必ず必要ですが)


また、Pitbullは、「We No Speak Americano」をサンプリングした「Bon Bon」に代表されるように、そのサンプリングに対するセンスとタイミングにも定評があります。そういう意味でも、ヒップホップしてますよね。

この『Planet Pit』ですが、まず目立つのは客演の豪華さ。彼が今まで客演で築き上げてきた人脈の広さが伺えますが、ざっと見渡しただけでも分かるメンツはさすが。

Pitbull同様ヒットメイカーと謳われるT-Painを始め、Ne-Yoや、Chris Brown、Kelly Rowland、さらには、Sean PaulからLudacris、AkonにNellyと、アメリカという広いフィールドのトップで活躍する面々が彩りを添えています。

基本的に歌われている内容は、女性やお金についてで、ひと昔前に流行った言い方をするならば、「PIMP」といったところでしょうか。R&Bシンガーとの相性がよく、Ne-Yoらを起用した「Give Me Everything」、それに続く、Marc AnthonyがHOOKを高らかに歌い上げる「Rain Over Me」は非常に耳障りの良い楽曲に。

「お祭り野郎」と称される所以を感じられる「Shake Senora」等もやっぱり捨てがたいですが。

何にせよ、LMFAOなどと並んで、彼らパーティーロッカーズの勢いが止まることはしばらくなさそうです。

◆Hotel Room Service (前作『Rebelution』収録)


◆Give Me Everything (画質悪いですが・・・)