『HEAT ISLAND/RHYMESTER』
01. JIN-TRO:THE GATE OF THE ISLAND
02. REDZONE
03. 逃走のファンク
04. HEAT ISLAND
05. けしからん
06. BIG MOUTH 2①
07. 紳士同盟 feat. ROMANCREW
08. 東京、東京
09. 音楽は素晴らしい feat. SCOOBIE DO
10. JIN-GLE:THE WAY OF THE ISLAND
11. WE LOVE HIPHOP
12. ダークフォースディスコ
13. BEDZONE
14. BIG MOUTH 2②
15. Best Kept Secret
16. LIFE GOES ON feat. Full Of Harmony
17. BIG MOUTH 2③
18. ウィークエンド・シャッフル feat. FG CREW
更新します。まだこのブログやめてはないです。
最近、昔買っていたCDを懐かしみながら聴いてまして。その中で心に残ったものなんかもレビュー書いていけたらなぁ、なんて思っていますので、どうぞ宜しくお願いします。
とは言うものの、世間は年の瀬。至極個人的なことですが、会社の決算が近いこともあり、多忙を極めています。なかなか自分の理想のペースでは更新できませんが、皆さんどうか見捨てることなく温かい目で見守ってください。
では本題。
さっき記事に載せるための画像を探してネット販売のサイトを見てたら、発売日が2006年3月ってなっていました。もう3年以上経ってるんですね。思えば発売された当時は、ただただ衝撃で、毎日毎日このアルバムと過ごしていました。
そんな折、「ライムスターの活動休止」が話題になりましたね。何かものすごく大きな存在を無くしてしまうような、そんな気持ちにさせられたのを鮮明に覚えています。別に「解散宣言」された訳ではないんですが・・・
それでも、宇多丸・DJ JIN・Mummy-Dの3人がそれまで響かせてきたHIPHOPというものの偉大さを考えれば、定期的にリリースされてきた曲が数年聴けなくなるというのは、非常に寂しいものでした。
復活を遂げた現在、実際に思い返して見ると、宇多丸はラジオ等でパーソナリティを勤めていたり、DJ JINはBreakthroughでの活動をしていたり、Mummy-Dにいたっては数々のフィーチャリングワークや、今ではお馴染みの『マボロシ』での活動など、われわれリスナー側にそれぞれの活躍は伝わってきていました。
復活からシングル『ONCE AGAIN』を経て来年の2月にリリースされるアルバム『マニフェスト』も楽しみではありますが、今回は活動休止前最後のオリジナルアルバムだった『HEAT ISLAND』についてです。
このアルバム、僕の中ではベスト・オブ・ライムスです。ずーっと昔からのファンの方からすれば異論を唱えたくなるような異見なのかもしれませんが。
具体的に「何がいい」というのは自分でもよく分からないんですが、アルバムのバランス、ヴォリューム、内容、、、何を取っても、近年量産されるばかりの日本語ラップにおいて輝いていると思うのです。
随所に配置された『BIG MOUTH』シリーズも復活しています。アルバム『グレイゾーン』で、もはや名人芸ともいえる曲だった『BIG MOUTH』の続編です。今回は人名のところに、Dさんの「ゴメンネ」が被せてあったりしますが、誰のことを言っているかはだいたい分かります。韻も踏んでくれるので、想像もしやすいですね。一世を風靡したあの占い師さんの名前なんかも。
話が二転三転していますが、僕が思うところのヒップホップ像には「政治的なスタンス」というものがあります。もとはサウスブロンクス-「アメリカ最大のスラム」、「欠陥都市の縮図などと呼ばれていた-で生まれたヒップホップという文化だから、その要素の1つに「社会への反抗」や「虐げられる者としての叫び」があるのは当然といえば当然の話で、そこにGrandmaster Flash & Furious FiveのThe Messageに代表されるような政治性が見出されるのも必然の流れではないでしょうか。
近年でもEMINEMのMOSHなんかはモロにブッシュ批判でしたし。
では日本では?
「平和な国に政治的な歌なんていらない」なんて意見を耳にしたりもしますが、とんだ平和ボケです。トップ10には当たり障りのないラブソングばかりで。。これは批判しても仕方ないので置いときますが。
とにかく前述したような意見はあまりに極論だと思うわけです。
僕は偉そうなことをいえるほど政治に興味もなければ、詳しくもありません。「民主党になってからって何が変わるの?」程度の人間です。
でも、音楽を通して「考えるきっかけ」は受け取っているつもりですし、僕なりの極論を言わせてもらえば、「きっかけを与えるのがヒップホップ」なのです。
やっと話がライムスターに戻ってきますが、そのような意味において、見識のある彼らの言葉は1つ1つが僕たちにきっかけをくれるものだと思うのです。
憲法9条なのか、北朝鮮問題なのか、人口増加なのか、はたまたもっと身近な生活についてなのか、何にせよ問題提起という意味において、彼らほど分かりやすく伝えてくれるアーティストには未だに出会っていません。そこに押し付けや強制があっては問題提起の意味もなくなってしまいますし。
まぁ、堅苦しい話にはなってしまいましたが、相変わらずファンキーな曲も多数収録されており、聞いているだけで楽しい楽曲もたくさんです。
中でもROMANCREWが参加した「紳士同盟」なんかは、今後も色あせることはないでしょう。ライムスターもさることながら、ロマンクルーの面々が本当にいい仕事をしています。特にエムラスタ、ものすごいMCです。
他にも「音楽は素晴らしい」や下ネタ満開の「BEDZONE」、そしてMELLOW YELLOWやリップスライム、KICK THE CAN CREW等など、ファンキーグラマークルーが大集合した「ウィークエンド・シャッフル」も聴き応え十分です。ウィークエンド・シャッフルに関しては参加人数がものすごい分、1人当たりの担当小節は少ないですが、その短いヴァースの中でもきっちり「あっっ」と思わせてくれるKREVAはやっぱり段違いのスキルを持ってるんでしょう。さすがです。
ライムスター以外のことにも話が飛んでしまいましたが、懐かしいアルバムに再会できてよかったです。そして2月発売のニューアルバム『マニフェスト』に期待しながら、締めくくりたいと思います。