療養生活が始まった頃の次男は、

「007シリーズ」にはまり、

アマプラの全作品を見尽くしました。

 

それで、満足したのか、

疲れてしまったのか、飽きたのか、

そのあとは、映画ではなく、

撮りためてあった

テレビドラマをよく見ていました。

次男がドラマを見るなんて

めったにないのでちょっと意外でしたが、

私も一緒に見てみたら、

面白いドラマがけっこうありました。

その中で、

特に私と次男のお気に入りを紹介します。

 

 

西島秀俊さんは、好きな俳優さんです。

どんなマエストロを演じるんだろうと

期待して見始めましたが、

楽しそうに指揮棒を振る姿が

とてもチャーミングで素敵でした。

派手さはないけれど、

富士山も美しいし、

オーケストラの音楽も心地よく、

他のキャストも魅力的で、

あったかい気持ちになるドラマです。

 

 

嘘がつけない不動産営業マンを

山下智久がコミカルに演じています。

営業トークの中で

心にもない嘘をつこうとすると

お決まりの「風」が吹いて

つい、本音を言ってしまうのが

毎回、面白くて痛快です。

原作がコミックだからか、

ディーンフジオカ演じるライバルも

大げさな悪役ぶりが漫画チックです。

毎回不動産の知識が得られるのも

とても勉強になります。

 

 

次男は自分がASDと診断されて、

アストリッドに興味をもったようです。

この女優さん、

自閉症の人をよく観察したようで

表情や歩き方、独特の身振りなど

演じているとは思えない自然さです。

ASDが抱える生きづらさや孤独感も

繊細な演技力で見事に表現しています。

アストリッドとラファエルの関係は、

ものの見方や感じ方が違っても

障害があってもなくても、

人と人とは対等で

互いに尊重し合うことができるんだと

勇気づけてくれるような気がします。

アストリッドが

鋭い観察力と抜群の記憶力、

膨大な知識量をもとに

次々と難事件を解決していく過程は

ミステリードラマとしても十分楽しめます。

 

最近、次男が

たまたま読んだ小説が「舟を編む」。

ちょうどNHKプレミアムドラマで

放映されることになり楽しみにしてました。

以前、映画化もされましたが、

今回のドラマは、

原作の主人公・馬締ではなく、

(この人ASDっぽいです)

辞書編集部新入りの岸辺みどりが主人公で

辞書作りという地味な仕事に

全く興味のなかったみどりが

「ことば」の世界にのめり込んでいく物語。

池田エライザも可愛くていいけど、

馬締役の野田洋次郎もいい味出してます。

この人、RADWIMPSのボーカルで

アニメ映画「君の名は」の

主題歌「前前前世」を歌った人ですよね。

ミュージシャンの才能だけでなく、

俳優としても素晴らしいものがあります。

 

 

次男の療養生活は

「凪のお暇」というドラマを思い出させます。

いったん人生を立ち止まって、

仕事や人間関係から離れ、

心に休養と栄養を蓄え、

自分らしい生き方を見つけるためのお暇。

この療養期間は

(精神的に苦しかったけど)

彼にとっても私にとっても貴重な時間でした。