韓国ドラマ「愛の不時着」(2019年)全16話を観た。「涙の女王」の脚本を書いたパク・ジウンが手掛けた作品と知り遅ればせながら観た。まさに胸キュンのロマンチック・ラブストーリーである。


ひとつのラブストーリーではなくふたつのラブストーリー仕立てになっている。


ひとつは、


ユン・セリ(ソン・イェジン)、32歳、韓国の財閥令嬢で、「セリズ・チョイス」社長。

リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)、32歳、朝鮮人民軍将校(大尉)。ピアノの才能がある。

こちらの恋は成就する、ハッピイエンドである。


もうひとつは、


ソ・ダン(ソ・ジヘ)、31歳、音楽家(チェリスト)、ジョンヒョクの婚約者。

ク・スンジュン(キム・ジョンヒョン)、31歳、韓国の実業家、詐欺師、英国籍。セリのかつてのお見合い相手。

ダンは親が決めた婚約相手をセリに盗られ恋愛した相手は派手な銃撃戦で亡くなってしまう。悲劇のヒロインとなる。


さすがに見事な脚本である。ラブストーリーだけでなく、朝鮮人民軍の内部(密売・賄賂・盗聴の悪用・事故に見せかけた殺人、保営部と総政治局の対立)やスイスでの美しい景色でのロケ、宿舎村の住民達との交流、中国マフィアとの乱闘、銃撃戦、逃亡劇、財閥の複雑な家族間での権力争い、などなど盛りだくさんで飽きさせない。継母に捨てられた過去から和解に至るまででも一つの物語りになる。最初の出会いの偶然をあたかも必然に運命的にまで持っていく練りに練った脚本である。


その人の本棚を見ればどんな性格の人なのか解ると本棚を眺める場面。本を並べ替えて「あなたを愛している」というメッセージを残すシーンが印象的である。


ジョンヒョクが作曲したピアノ曲をセリが聞いて感動する。そしてそれをピアノで弾くのである。この曲が運命的な意味を持つことになるのだか、1回聞いただけで弾けることに、音痴の私は感動してしまうのだ。



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