「良い川柳から学ぶ秀句の条件」(2023年、新葉館出版)を図書館から借りてきて読んだ。


毎月参加している川柳草原の句会でお会いする方々の句も載っている。


どの顔も逃亡者なり炎天下/中野六助

喪主の席いもうと凛と泣いている/安土理恵

しあわせのゆりかご揺らすのは自分/斉尾くにこ

大阪の湿った場所に棲んでいる/小池正博

だれも見なかった桜も散りました/井上一筒

ひまわりは笑顔の自動販売機/新川弘子

叶うなら猫のとなりで雨やどり/前中知栄

スリッパの裏側までが守備範囲/岡谷樹

なかなか死ねないものね朧月/下谷憲子

生きてきた幾度も服を脱ぎ替えて/森井克子

ふっくらと魔女の豚まん蒸し上がる/田畑宏

カニカマと言われなければ解らない/森茂俊

雑巾にされていきいきするタオル/くんじろう

遠足の顔で集まるクラス会/みつ木もも花


なんとまあ錚々たるメンバーと句会をやっているのだと改めて認識させられた。


新家完司さんの解説は平明で秀句の条件を噛んて含めるように教えてくれていてよく理解できる。287ページと読み出があり勉強になりました。


「良い川柳から学ぶ秀句の条件」(新葉館出版)。