瀬尾まいこ「ファミリーデイズ」(2017、集英社)を読んだ。5ページぐらいのエッセイの連作で40編ある。


国語講師を9年やって30歳で京都府の中学校国語教諭になり2011年に退職。結婚、39歳で女児出産、育児の奮闘エッセイである。


夫はいたってのん気で、いつでもどこでも幸せそうに、にこにこしている人だ。...p9


運動神経がとてつもなく悪い私は、キャッチボールなどできるはずもなく、夫が返してくるボールを取りに走ってばかりだった。...p16


娘が加わり、一気に暮らしはにぎやかで満ち足りたものになった。「生まれて来てくれてよかった」と何度口にしたかわからない。...p51


子育てに追われておしゃれが後回しになる人は多いだろうけど、破れまくったパンツで歩いている人は見かけない。これからは最低限見ぎれいにしようと誓ったのだった。...p112


なんと「明るくドジな瀬尾先生〜」と歌われているではないか。あれ?ドジ?中学校最後の日に歌うとしても、どうひいき目に見ても、「ドジ」という言葉は、外せなかったようだ。...p150


今日はすばらしい。でも、明日はもっとすばらしい。中学生も子どもも、いつだって私に、それを示してくれる。...p208


夫とのデートの場面や、ハワイで結婚式を挙げた場面、妊娠したときの場面、切迫早産で1か月入院したときの場面、帝王切開したときの場面、幼稚園のプレクラスへの通園の場面、ファミリーで動物園に行ったときの場面、そのほか娘のやんちゃぶりなど、ごく身近なささいなことを愛情深くユーモアのある文章で綴られている。やはり文章にはその人の人柄が現れるものなんだ。読後感がとても温かい。


瀬尾まいこ「ファミリーデイズ」(集英社)。

私は何が苦手って、ハトが嫌いなのだ。