第3回「謎の男」に新しく登場した人物像を把握する意味で、「紫式部日記」(山本淳子、角川ソフィア文庫)の巻末に人物紹介があるので、写メを貼り付けたい。


まず藤原斉信(ただのぶ)、



つぎに藤原公任(きんとう)、


つぎに藤原行成(ゆきなり)、



つぎに源倫子(ともこ/りんし)、





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源雅信の屋敷「土御門殿」での場面。
源倫子(黒木華)はのちに道長と結婚する。
「土御門第」はのちの道長の邸宅である。
土御門第跡の場所は現在の京都御苑の仙洞・大宮御所の北側になる。



つぎに赤染衛門、


赤染衛門は左大臣源雅信の土御門邸で姫君たちの集い(サロン)で和歌を教えている。和歌の名人で古今和歌集をすべて諳んじている。小野小町の歌を披露したとき、まひろが思わず、「すごい、合ってます」と言ってしまう。和歌の先生に対して。(私も知ってますよ、と)。このサロンデビューの場面でまひろは漢学も得意で和歌にも精通しているとアピールした。空気は全く読めないが。

その歌は、
「秋の夜も名のみなりけり逢ふといへばことぞともなく明けぬるものを」(小野小町)

(あーあ、秋の夜は長いというけれどそれも名ばかりだったのね。ようやく逢えることになってそして何事もなく夜が明けてしまったよう!)ネット結城浩氏より。

このサロンを仕切っているのが、奥まって座っている倫子の母、穆子である。藤原穆子(ふじわらのぼくし/あつこ)で難しい漢字だ。のちに倫子と道長を結婚に導く(夫の左大臣は反対していたが)。

ドラマの39分ぐらいに、ある姫君が和歌を詠む場面がある。

「みても又またも見まくの欲しければなるるを人は厭ふべらなり」(読人しらず、古今和歌集)

(逢っても逢ってもまたさらに逢いたくなるので逢うのがあたりまえになるのをあなたは避けているのでしょうね)ネット結城浩氏より。

赤染衛門が古今和歌集の歌の盗作だと指摘して自分の歌を作りなさい、と。

NHKでは登場人物に字幕を表示しない。ナレーションだけでは漢字が分らないのでピンとこない、人物像が描けない。不親切である。

(韓国ドラマでは、難しい名称、職種など簡潔に字幕で説明している)。

あらましのことを把握しておけばドラマがもっと面白くなる。

山本淳子「紫式部日記」角川ソフィア文庫。