穴いつもの道、良い天気とはいえ、スっと肌に触れる空気は冷たい。この時間、まだ太陽は山のあちら側。私は郡界川が流れる坂道をゆく。 右手の山を臨むと、高さ10mほどの土砂崩れ防止のコンクリート。その灰色の壁の水抜きの穴が、今日は気になった。 これは出入り口だ。 眺めていると引き込まれそうになるだが、、、寸前のところで、植物たちが結界を作ってくれているのである。 異界への通路は至る所にあるに違いない。