久しぶりに"なんか刺さる"映画だった。


スピルバーグの自伝が織り交ぜった映画らしいが、そうとは知らずに見たのが良かったのかもしれない。あるいは、自分も映像業界の端くれだからかも。


「現実はままならない」


映像表現の虜になると、現実のままらななさに時に歯痒く、空虚に感じる事がある。


フェイブルマンがクラスの何気ないシーンを撮影し、編集して皆に見せた後のクラスの"鼻につく"ヤツとのシーンが印象的だった。


現実はままならないけど、それでも何か琴線に振れるような、そんな一瞬のシーンを逃すまいと撮影して、それをもう一回見て、いろいろ繋ぎ合わせて並べ替えて編集すると、"あれ?結局なんなんだっけ?"となる事が良くある。そうして長い時間かけてようやく完成して、1番怖いのが、"みんなに見せる時"。


制作した自分が、主人公や周りを見ていたのかバレてしまうからだ。それどころか、価値観だったり世界観だったりと、自分の底の浅さが露呈してしまう。いわば自分の恥部を露呈して、周りから人が離れてしまう恐れがある、実に怖い仕事だと思う。


それでも、映像表現にはそれを遥かに上回る謎の魅力がある。この映画はそれを代弁してくれた気がする。


ドキュメンタリーから離れて久しいが、

いつかまた作ってみたい、そう思わせてくれた映画だった。