船舶免許を取得する際に、通常は1級と2級のどちらを取るべきかという選択が求められます。どちらも操縦するのは同じ二十トン以下の船舶とはされていますが、操縦できる範囲が1級ならば基本無制限なのに対し、2級の場合には川や湖、または五海里以内の海域のみとされています。最初は釣りを楽しむために2級の船舶免許を取ったものの、その後は気持ちが変わって漁業の世界で働こうとするとか、またはもっと自由に船で海を広々と旅してみたいという想いを抱くこともありえます。そういう時に2級の免許しか持っていないと、色々と制限が出てくるように思えてしまうものでしょう。こういう場面に対応できるよう、船舶免許では2級から1級への更新をすることが可能です。基本的な試験は学科試験と実技試験、そして身体検査という項目になるもので、2級を受けても1級を受けても基本の内容は変わりません。2級は1級よりも試験のハードルが低く、そのために取得しやすいと言われています。だからそこで上位の1級の免許を取ろうとするのなら、2級の段階では足りていなかったものを埋め合わせる必要が出てきます。では、それは一体なんでしょうか。やはり1級の方が実技としても難しいことを求められるものなのでしょうか。実際にはそういうことはなく、2級の免許保持者が1級に更新したいとする時は、実技試験は免除されます。大切なのは学科試験のみで、2級の時にはなかった上級運航にまつわる試験問題を受け、そこで合格点を取ることができれば無事に1級への更新が可能となるとされています。