
地元の同級生達と飲みにいき、
二軒目に昭和カラオケスナック
の店にはいりました。
二十代の頃⋯
サザンや浜省の曲にまぎれ
意味もわからないくせに
古めかしさが気に入っていた
河島英五さんの歌。
マイクがまわってきて、
親友にリクエストをもらったのは
なつかしい「野風僧」。
~お前が二十歳になったら
酒場で二人で飲みたいものだ~
歌い出し直後に皆が
あ⋯と。そういえば、
父親と息子の歌だったっけ。
~いいか 男は
生意気ぐらいが丁度いい
いいか 男は
大きな夢を持て~
誰も何も言わず前を向き、
ただただ大きな声で
一緒に熱唱してくれた
有り難さ。
◇
息子ヨシが入院中、
オレこんなカラダに
なっちゃったから
ニートになろうかな?
と言ってきたことが。
必ず治るから!と
ひどく悲しくなって
色々と大きな声で言ってしまった。
けれど、その時の
ヨシの顔を今思い出すと
けして暗くはなかった。
どちらかというと、
いつものイタズラな
眼をして笑っていた。
たぶん、YouTubeで知って
憧れていたニートというものに
堂々となれるんじゃ?
と嬉しがっていた顔の気がする。
◇
写真は病院の売店で
店番をさせてもらった時。
この写真を見るたび⋯
どんな仕事をしても
この子は楽しくやれただろう
と想ったりしています。