ロープでできたジャングルジム。
調べると名前は、

ザイルクライミングと

いうそうです。


赤やオレンジのロープが
青空に映えて、

高いところに登るのが好きな
ヨシを下から見上げていると
いい眺めでした。

頂上付近では
テンションが上がっているのか

よその子たちと笑い合ったり
こちらに手を降ったり。

天国の息子ヨシを想い
見あげる今の空に
重ねあわせてしまいます。



高さを怖がらない弟ヨシに
登りものの遊具では
唯一負けてしまう姉は

「高いだけで全然ツマラナイ!」
と負け惜しみのセリフを吐き⋯

そんな彼女は
4月から大学二回生になって、
お化粧したり、アルバイトしたり
友達らと遊びにいくようにも
なりました。

でも最近、久しぶりのグループに
誘われて遊んだ時、
「楽しいからまた遊びたい!」
と言ったら皆がびっくりしたらしい。

そんなこと言えるように
なったんだと。

不思議に思い、
昔のアルバムを調べたら、
そのグループは
小学生のお友達仲間だったとか。

「なぜか私、小学生の記憶が
全然ないんよね(笑)」
と大笑いしていた。

そんなことある?とつられて
笑ってしまったけれど、
よく考えたら、記憶がないのは
ヨシが入院していた時期。

辛いことから
自身を守るための防御反応と
考えたら、ありえるのかもしれない。

いつかまた⋯

愛しい弟との思い出が

その胸に帰ってきますように。

今は、そっと
彼女の楽しそうな青い春を
身守っています。